ロック好きなら一度はその名を耳にしたことがあるであろう、伝説的なハードロックバンド、AC/DC。
彼らのシンプルかつパワフルなサウンドは、ハードロックの代名詞とも言える存在です。
結成から50年以上が経った今でも、多くのファンに愛され続けており、アルバムセールスは全世界で2億枚を超えています。
しかし、ハードロック・ヘヴィメタル好きでも、アルバムをじっくり聴いたことがあまりないという方も案外いるのではないでしょうか。
または、久しぶりに聴いてみたいという方も多いことでしょう。
「AC/DCってどの曲・アルバムから聴けば良いのだろう」
「ファンからどのアルバムが評価が高いのか知りたい」
「昔のアルバムを久しぶりに聴き直したいな」
「AC/DCの歴史や背景がよく知ったうえで聴いてみたい!」
そんなお悩みを持つ方のために、この記事では、AC/DCの名盤や代表曲を徹底的に掘り下げます。
これを読めば、AC/DCの魅力をより深く理解したうえで、曲を聴けること間違いなしです!
まずは、AC/DCがどのようなバンドなのかを簡単におさらいしましょう。
AC/DCは1973年、オーストラリアのシドニーでアンガス・ヤングとマルコム・ヤングの兄弟によって結成された5人組ロックバンドです。
デビューから6作目のアルバム『Back in Black(バック イン ブラック)』が全米で大ヒットし、世界的ロックバンドの一員となります。
全アルバムの総セールス数は、アメリカのみで7500万以上を記録しており、ロックバンドとしてはアメリカ音楽史上歴代5位という実績を収めています。
バンド名の「AC/DC」は電気用語で「交流と直流」を意味します。
マルコムとアンガスはバンド名の由来について、「妹であるマーガレットがミシン・掃除機の裏に書かれていた「AC/DC」から名付けた」と言っています。
しかし、初代ヴォーカルであるデイヴ・エヴァンスが言うには、「マルコム・ヤングの義理の姉(兄であるジョージ・ヤングの妻)が提案してくれた」と語っており、両者の内容には少し違いがあります。
どちらが本当なのか…真相は謎ですね。
いずれにしても、AC/DCのシビれるパワフルな音楽性を表現するのにふさわしい名前です!
AC/DCのメンバーは入れ替わりがありますが、ここでは主に活躍したメインメンバーを中心に解説します。
ブレザー・半ズボン・ランドセル、常にスクールボーイの制服を着て演奏する姿がトレードマークのアンガス・ヤング。
AC/DCのリードギターを担当しており、ブルース調で感情的なギタープレイと速弾きが特徴です。
ギターはデビューから『ギブソン・SG』を愛用しており、自身のシグネチャーモデルも販売されているようです。
※ シグネチャーモデル:特定の著名人やプロフェッショナルが、デザインや機能に関与し、その人物の名前やサインが入った商品のこと。
先にギターを始めたのは、兄のマルコムでしたが、1年程度経つとアンガスはマルコムを超える実力を身につけ、独自のコードを用いたアドリブまでこなすようになっていました。
マルコム・ヤングは、リードギターのアンガス・ヤングの兄で、バンドではリズムギターを担当していました。
あまり前に出るタイプではなかったようですが、後述のボーカルであるブライアン・ジョンソンは、マルコムを「バンドのまとめ役だった」と語っています。
そんな彼のプレイスタイルは、パワフルさと安定性が両立したものでした。
有名なエピソードである『Let There Be Rock』を1曲プレイするだけでギターピックを2枚使い潰したという話も、彼のパワフルな演奏を物語っています。
アンガスと同様に、デビュー当時から同じモデルのギターを愛用しており、使用したギターであるグレッチには、シグネチャーモデルも発売されています。
アルコール依存症や認知症を患っていて、2014年にバンド活動から引退し、2017年に亡くなりました。
ボン・スコットは、初代ボーカルのデイヴ・エヴァンスが1974年に脱退したあとに、2代目ボーカリストとして加入しました。
その独特なハスキーな歌声とユーモラスなキャラクターでAC/DCを支えましたが、ブレイク期の1980年に急逝してしまいます。
公式発表ではアルコールの過剰摂取とその影響による飲食物の窒息が原因とされています。
やはりこの時代のHR/HMの黎明期~全盛期のロックスターたちは、アルコールやドラッグによって亡くなる人が多い気がしますね。Led Zeppelinのドラムのジョンボーナムも同様の原因で亡くなっています。
ロックな生き方を徹底した結果とも言えますが、彼らが生きていたらより革命的な音楽を世に出していたかもしれません。
ボン・スコットの死は、メンバー間で解散の話題が出るほどにショッキングなものでした。
彼の存在が、当時のAC/DCを牽引していたと言っても過言ではないでしょう。
ボン・スコットの死後に三代目ボーカルを担当したブライアン・ジョンソンは、高音の力強いシャウトが特徴的です。
AC/DCに加入してから最初のアルバム『Back in Black』(バック・イン・ブラック)は、マイケル・ジャクソンの『スリラー』に次ぐ売り上げを記録しました。
ボン・スコットの死去で解散の危機にあったAC/DCを、その強烈な歌声でさらなる高みへと導いたメンバーと言えます。
クリフ・ウィリアムズは、初代ベースのマーク・エヴァンスの脱退後の1978年に加入したベーシストです。
AC/DCのシンプルな楽曲構造を支える、堅実なベースラインを構成する役割を担っています。
愛用のベースはスティングレイです。
1975年からAC/DCのドラムとして活躍していたのが、フィル・ラッドです。
1980年のボン・スコットの死やバンドメンバーとの不和、薬物問題によって、AC/DCから2度脱退しますが、いずれも復帰を果たしています。
ドラムプレイは直線的な8ビートと、非常にシンプルですが、メンバーは「(フィル・ラッド離脱した期間を振り返り)フィル・ラッドではないと何かが欠けていた」と評しています。
その正確性とビートの力強さは、AC/DCの音を成り立たせるために不可欠なものだったと言えるでしょう。
数々の名盤を持つAC/DCですが、その中でも、特に注目に値する5つのアルバムを厳選し、その魅力を掘り下げていきます。
1980年にリリースされた『Back in Black』は、AC/DCの転機となったアルバムであり、バンドの名声を不動のものにした作品です。
ボン・スコットの突然の死後、新しいボーカリストとしてブライアン・ジョンソンが加入し、AC/DCは再起を果たすことになります。
『Back in Black』は、その新たなスタートを切ったアルバムとして、世界中で爆発的なヒットを記録しました。
アルバムの象徴的なタイトル曲「Back in Black」はもちろん、攻めた歌詞の「You Shook Me All Night Long」やボン・スコットへの鎮魂歌を思わせる「Hells Bells」など、アルバム全体を通して名曲が揃っています。
『Back in Black』は、AC/DCのサウンドに対するアプローチが一層洗練されたことを示しており、特に、ギターリフの強烈さやリズムのタイトさが際立っています。
さらに、ブライアン・ジョンソンのエッジの効いたしゃがれ声が加わり、AC/DCの新たな個性になっています。
『Back in Black』は商業的にも大成功を収め、AC/DCをロック界のトップバンドへと押し上げました。
その売り上げは驚異的で、アルバムは世界中で5000万枚を超えるセールスを記録し、AC/DCの代名詞ともいえる存在となりました。
1979年にリリースされた『Highway to Hell』は、AC/DCの作品初期の頂点と呼べる作品です。
本作は、ボン・スコットが参加した最後のアルバムであり、彼の圧倒的なボーカルとカリスマ性が存分に発揮されています。
プロデューサーに、ロバート・ジョン・“マット”・ランジ(ラング)を迎えたことで、AC/DCのサウンドはさらに洗練され、よりタイトな仕上がりとなりました。
アルバム全体を通して、AC/DCの強みである強烈なリフが際立っています。
「そこまでリフが強いとクセが強いのでは…」と思ってしまうかもしれませんが、ロック感を出しながらも非常に聴きやすい曲がそろったアルバムとなっています。
タイトル曲「Highway to Hell」は、AC/DCという枠だけではなく、ハードロック界の代表曲としても広く知られています。
他にも「Girls Got Rhythm」や「Touch Too Much」などの名曲が収録されており、それぞれが個性的な魅力を持っています。
このアルバムは、商業的にも大成功を収め、AC/DCが国際的なロックバンドへ前進する大きな一歩となりました。
1977年にリリースされた『Let There Be Rock』は、AC/DCがその音楽スタイルを確立した作品です。
バンド全体の生々しいエネルギーが詰め込まれており、他のアルバムと比較しても、ハードロック・ヘヴィメタルのテイストが強い印象です。
曲の中でも、タイトル曲「Let There Be Rock」と「Whole Lotta Rosie」は、ライブのラスト・アンコール前に必ず演奏される定番ナンバーとなります。
1981年にリリースされた『For Those About to Rock (We Salute You)』は、AC/DCの成功をさらに押し広げたアルバムであり、バンド初の全米チャート1位を獲得した作品です。
前作『Back in Black』の特徴であるヘヴィメタルの要素をより強めたアルバムとなっています。
タイトル曲「For Those About to Rock (We Salute You)」は、AC/DCのライブでの人気曲であり、コンサートでは大砲を使う演出が行われることでも有名です。
この楽曲は、英雄や勇敢な者たちへの敬意を込めた歌詞と、壮大なスケール感のあるサウンドで、ファンから絶大な支持を受けています。
アルバムには他にも、一緒に叫び出したくなるサビが印象的な「Put the Finger on You」や、独特のリズム感の「Let’s Get It Up」などの良曲が収録されており、AC/DCの音楽スタイルの幅広さを示しています。
個人的には「Put the Finger on You」は、ドライブやサイクリング中にピッタリな曲だと思いました!
1990年にリリースされた『The Razor’s Edge』は、AC/DCが再びロックシーンの頂点に返り咲きを果たしたアルバムです。
本作の発売までに発表された作品では、商業的な苦戦を強いられたようですが、本作ではプロデューサー・メンバー変更など、新たな試みに取り組んだことで、結果として高い評価を受けています。
プロデューサーにはボンジョヴィやエアロスミスを担当したブルース・フェアバーンを迎え、従来の楽曲とは異なるキャッチーさを加えつつ、AC/DCらしいロックなサウンドを追求しています。
アルバムの前半は、大ヒット曲「Thunderstruck」や、全米トップ40にランクインした「Money Talks」などのキラーチューンが続きます。
後半にかけてやや勢いが弱いと評されていますが、アルバム全体のバランスを見た際には良盤に分類されるでしょう。
このアルバムは、当時のロックシーンにおけるAC/DCの復活を強く印象付け、再び世界中のファンを熱狂させるきっかけとなりました。
アルバムについて知ると、次は「曲が聞いてみたい!」と思っちゃいますよね!
ここからは、AC/DCの数多くの名曲の中から、個人的におすすめしたい曲を3つ紹介します。
「Thunderstruck」は、1990年にリリースしたアルバム『The Razors Edge』に収録された楽曲です。
この楽曲は、アンガス・ヤングの象徴的なギターリフと力強いサウンドが特徴です。
特に印象的なのが曲のコーラス部分でしょう。
タイトルにもある「Thunder」「Thunderstruck」のフレーズの繰り返しは、ライブにおいて会場全体が盛り上がるタイミングの一つです。
また、「Thunderstruck」はロック音楽だけでなく、映画等のメディアでも使用されることが多く、人々に活力を与える楽曲として評価されています。
「Back in Black」以来のヒット曲ということもあり、AC/DCの音楽史においても重要な位置を占める一曲ですね。
「T.N.T.」は、1975年にリリースしたアルバム『T.N.T.』と『High Voltage』に収録されたバンド初期の代表作の一つです。
この楽曲はエネルギッシュなロックンロールサウンドが特徴で、聴く者を一気に引き込むダイナミックな構成が魅力ですね。
また、歌詞からも分かるように「T.N.T.」は、反逆的な精神や自由をテーマにしています。
イントロの「Oi, oi, oi, oi(オイ、オイ、オイ、オイ)」という独特なかけ声は、曲への期待を高めてくれます!「T.N.T, I’m dynamite(俺はダイナマイトだ)」「Watch me explode(俺の爆発を見ろ)」といったフレーズが、強烈な自己主張とパワーを表現しているので、聴いていて勇気をもらえる楽曲です。
この曲のシンプルかつ重厚なメロディーとキャッチーなコーラスは、ライブパフォーマンスでの観客との一体感を生み出す楽曲の一つとして定着しました。
非常に人気の高い曲ですが、実は「T.N.T.」が最初に収録された『T.N.T.』と『High Voltage』は、アメリカ本土では公式にリリースされていません。
「You Shook Me All Night Long」は、AC/DCが1980年にリリースしたアルバム『Back In Black』に収録された楽曲であり、同じアルバムに収録されたタイトル曲「Back In Black」と並んでバンドの代表的なヒット曲の一つです。
この曲は、青春を思い出すようなノスタルジー感があふれる曲となっており、親しみやすいメロディーとストレートなロックサウンドで、多くのファンに愛され続けています。
歌詞によって、ユーモアと情熱が交じり合った恋愛のエピソードが表現されています。
その描写は生き生き(人によっては生々しいかも)としていて、モヤモヤした気持ちを引き飛ばしてくれる軽快なナンバーです。
特に、ブライアン・ジョンソンの情熱的でふり絞るような歌い方が、歌詞にリアリティと魅力を加えています。
その親しみやすく共感を呼ぶテイストがウケたのか、「You Shook Me All Night Long」は、全米チャート35を記録し、AC/DCで最もヒットした曲となりました。
結成から50年以上経ったAC/DCは、今でも精力的に音楽活動を行っています。
2024年には約8年ぶりのヨーロッパ・ツアーを開催しました。
2025年にも、北米ツアーが開催される噂が流れるなど、今後の活躍にも目が離せません。
いかがだったでしょうか。
この記事では、AC/DCのアルバムや楽曲を中心に解説しました。
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