SONYのポータブルHDDウォークマン、NW-A1000を長野県軽井沢市のお客様よりお譲りいただきました! 良盤ディスクのご利用、誠にありがとうございます。
ひさしぶりに手に取ったNW-A1000。発売当時はアップルのiPodと購入比較したものです。
せっかくなので当時の記憶とともにソニーのハードディスクウォークマンについて語ってみたいと思います。
ハードディスク方式のポータブルオーディオの代表選手といえば、アップルのiPod(Classics)であるという事実に異論を唱える人はそう多くないと思います。かくいう私も長いことiPod
(第4世代)を愛用しており、それにはたくさんの思い出が詰まっていました。事実iPodが発売された当時、日本でのiPodのシェアは70%以上あった程でした。
私もちょうどこの頃、自分用のポータブルプレーヤーは欲しくて機能比較をしていたものです。ヤマダ電機とコジマ電気のオーディオコーナーにあしげく足を運んだのもこの頃です。
そんな天下を取っていたアップルに日本の企業、SONYさんが満を持して登場し戦いを挑んだのがこの『NW-A1000』なのです。
2005年に発売したAシリーズには「HDD搭載モデル」が2機種、フラッシュメモリータイプが1機種ありました。今回お譲りいただいたNW-A1000は前者の6GB・HDD搭載モデルで、約1000曲の音楽を取り込むことが可能でした。
カラーバリエーションは3色で、こちらのモデルはシルバータイプです。ボディはすっかりくすんでしまってはいますが、鏡のようなボディが特徴的です。
ボディデザインは全体的に丸みを帯びており、フォルムはまるで石鹸のような形で手にすっぽり収まる大きさでした。
手に持つとずっしりと重く高級感を感じることができます。重さの原因は側面の金属製のフレームのせいでが、HDDを保護するため必要な措置だったと思われます。
それでもNW-A1000の重量は109g。ちょうど初代iPhone SEと同じ重さでした。携帯するのがメインのポータブルオーディオには不釣り合いな重さのように感じますが、それでもiPod(4G/M9282J/A)20Gの重さが158gであったことからスペック的には軽量なのでした。
A1000発売の少し前2003年頃、SONYはHDDメディア搭載のポータブルオーディオNW-HDシリーズをリリースしていましたが、アップルiPodの洗礼されたUIや機能美へのこだわり、使いやすい操作系統とは比べ物にならないほど微妙(失礼)な商品でした。
HDD搭載シリーズの「NW-HD2」がたまたま近くにあったので触ってみましたが、面白みの無いデザインで、当時の私も選択肢に入れなかったのには納得しました。
それでは操作系についても見てみましょう。
前面の操作ボタン(十字キーとオプションボタン、バックボタン)も丸ですね。
ソニーのポータブルオーディオは慣れるのに時間がかからない普遍的な方向キーがほとんどでした。
ボタンの配置は右手で操作しやすいようになっています。完全に右利き用に作られていることがわかります。
面白い機能としては左上にLINKボタンというものがあります。(オレンジに光ります)
これは音楽再生中にこのボタンを押すと、再生中の曲にもっとも近いジャンルの曲を自動で選曲してくれるというものです。
(検索能力は範囲が標準/ワイドの2段階に切りかえ可能。)
おそらく曲の登録情報やジャンル情報から紐つけていると思われます。もし自分のライブラリーだとしたら、どんな検索になるのか・・・気になりますね
有機EL液晶はテキスト表示のみ。カラー画像や動画の表示機能はありません。このあたりはiPodがいち早くカラー化したのですぐに市場から不満が上がりましたね。
今回色々といじってみようと思ったのですが、残念ながらモニターが死んでおります。(映らない)サウンドについても確認したかったのでとても残念でなりません。
残念ながら電源が入らなかったので、せめて通電するようにと思い、分解整備をしてみました。簡単に治れば良いのですがどうなることやら・・・。
カバーの取り外しはウォークマンのマークが入ったパネルを外せば行えます。
パネルは少し硬かったのですが細くて薄いドライバーを差し込み取り外しました。
その後、裏蓋を下にスライドすることで外せます。
どうやら搭載されているメモリーはiPod miniなどと同じマイクロドライブでした。元々はIBMが発売していたと思います。
PC用のHDDとは違い、コンパクトフラッシュ(II)とほぼ同じ大きさですね。
マイクロドライブのメーカーはIBMではなく、日立製6GBとなっています。
はるか昔にマイクロドライブをPCカードに取り付けてノートPCの記憶メディアとして使っていた仕事仲間を思い出しました。
バッテリーはリチウムイオンタイプでした。この個体のバッテリーは特に膨らんでもおらず、端子をクリーニングしてから抜き差ししてみました。
元通りに組み直してから電源を入れてみました・・・・
残念ながら液晶画面は映らず。ただ各ボタンがほんのり光り通電はしているようです。
初期化のためPCの連携をしてみましょう。
普通は「SonicStage CP」というソフトを使うのですが、私のPC(Windows10)では作動しません。
代わりに当時のソフト「X-アプリ」を引っ張り出して接続してみました。
データの転送は行えるみたいなので、試しにサンプル曲を入れてみたところ転送は完了したようです。
液晶が相変わらず映らないので”カン”で操作していたら曲が流れました!よかった
音は・・・普通ですかね。イコライザーやモード次第では良い音になるかも?
元気な個体があったらぜひその音を味わってみたいですね。
以上、今回は治すことが出来ずとても残念です・・・。
でも久しぶりに手に取ったA1000はその形もさることながら、果敢にアップルに勝負を挑んだ事を感じさせてくれました。結果は・・・皆さんはよくご存知だと思います。
良盤ディスクでは、ネットワークウォークマンをはじめ、各種ポータブルオーディオプレーヤーを高価買取させていただきます。
お客様の大切にされてきたプレーヤーを泣く泣く手放そうとお考えでしたら、是非当店に一度ご相談下さい。
今回のように壊れていてもOKです!音楽好きなスタッフが丁寧に査定させて頂きます。