SONYという企業は独自の規格を開発または普及させる能力に長けていると感じます。特に既存の商品を小型化する時にその能力を発揮してきたと私は思っています。
具体的に言えば、VHSからベータマックスに。LDからCDVIDEOやDVDに、そしてUMDビデオなどがそれでした。
上記の規格が実際にヒットしたかどうかの判断は皆様に委ねます。
そしてこの章ではコンパクト化の象徴ことMD(ミニ・ディスク)についてご紹介したいと思います。
MDはカセットテープの代替えメディアであり、劣化せず音質が良い事に加え、録音が容易にでき、かつ曲の並び順などの編集も可能だということが特徴です。
そんな理想の記憶メディアである、MD用のウォークマン機種をいくつか見てみましょう。
解説:初代MDウォークマンです。再生はもちろん録音もできます。
解説:ジョグダイヤルを採用し、テキスト入力が早くなりました。
解説:ガム型の充電式電池を採用し小型化を計ったモデルです。
解説:軽くて頑丈なボディを実現するために、ボディ全体にマグネシウムダイキャストを使用しています。
解説:LIP-10リチウムイオン充電池を初採用し、より小型化したモデルです。
解説:ソニー創業50周年記念モデルです。
解説:ウォークマン20周年記念モデルです。リモコンは独特な形のスマート・スティック・コントローラーを初採用しました。
解説:アウトドアでも映えるアクティブデザインを採用しました。
解説:SONY初のMDLP対応モデル。再生時間が4倍になりました。
解説:発売当時世界最小&世界最軽量&世界最長の連続再生時間です。
解説:デジタルアンプと4種類の音場が選べるバーチャルホンテクノロジー・アコースティックエンジンを搭載しました。
解説:MD10周年記念モデルです。6バンドイコライザ搭載しています。
解説:録再型ポータブルHi-MDです。
MDに録音できる機材があれば試してもらいたいのですがMDにテキスト入力が出来ることです。アルバム名やアーティストはもちろん。トラック単位で文字を入力できるのです。機種にもよりますが、アルファベットだけではなく日本語カタカナでも入力出来ました。
これはレコードやカセットはもちろん、CDでも出来なかったことです。(その後CD TEXTで実現)懐かしの曲もさることながら、入力した情報なんかも当時を振り返るきっかけになります。
また、録音時間の選択ができるMDLPの登場はMDメディアの長所でした。例えばロングモード(LP)での録音をすると単純に74分の倍の時間(LP2)、または4倍の時間(LP4)で録音することが出来ました。
iPodなどメモリーオーディオ時代が到来しMD終焉の兆しが来ていた時期、我々のようなMDキッズたちの間ではMDの中の音楽をどうやって救い出すのかが命題だったように記憶しています。今まで録音しまくっていた曲資源を失わないため必死でした。なぜなら音源であるCDやレコード、カセットなどは既に手元に無いのだから必死にもなります。
そんな時に流行ったのがHi-MDの機能の一部でした。Hi-MDの最大の利点は古いMDの中にある、懐かしのサウンドコレクションとかを、パソコンに転送できるという点だったように思います。
作業は簡単で、Hi-MD対応の機器に付属するパソコンとのリンク用ケーブルと付属ソフトの「Sonic Stage」を使うことによって、それは実現できました。青春の一部であった音楽達をサルベージした時の喜びは大きかったです。
またこの時救った音源の数々は現代に至ってもPCのライブラリにいることをお伝えてしておきます。
MP3が人気となり、インターネットユーザーは初めて、無料で音楽をダウンロードし、共有できるようになりました。
デジタル時代は2001年11月、アップルのCEOスティーブ・ジョブズが最初の音楽プレーヤーを発表したときにさらに進展しました。それがiPodの登場です。iPodは399ドル、直感的な簡単操作で使いやすいと言われ、しかも1000曲を持ち運ぶことができました。
ここに今に続くデジタルメディアの時代に入っていったといえます。
SONYもこの流れに遅れないように、ウォークマンをデジタル化しようとします。
前項のMDをデジタルメディアとして開発するも商業的に失敗してしまいました。
SONYのデジタルオーディオのスタートは独自の記憶媒体(メモリースティック)用からスタートしました。この規格はSONYユーザーなら一般的ではあるが馴染みがありませんでした。
それでもSONYは様々な商品をリリースしてきました。
以下から結果はどうあれ魅力溢れるデジタル・オーディオ・プレーヤーのラインナップを紹介します。
解説:マジックゲートに対応したメモリースティックウォークマンです。128MBのメモリースティック付属しています。それがキーホルダーにもなるお茶目な奴。
解説:20GBハードディスク内蔵ネットワークウォークマンです。約30時間の連続再生が可能で、データを衝撃から守るGセンサー(重力加速度センサー)機構と耐衝撃ダンパーを搭載しています。一見するとモバイルルーターな感じが逆に新鮮です。
解説:フラッシュメモリー採用の小型モデルです。デザインはストップウォッチのような円盤型でした。
これが音楽プレーヤーだと気づく人とはすぐに友達になれると思います。
解説:まるで香水の瓶のようなデザインは一時iPod shuffleを凌ぐほどの人気がありました。女性にも大変人気で、発売当時電車でEシリーズを操作していた女性を多く見たことがあります。
解説:HDD採用の大容量モデルです。アップルのiPodとは違ったコンセプトで登場したが勝負にはなりませんでした。
しかしながら電車で操作していると、注目を浴びているのが分かったほど注目を浴びた記憶があります。
解説:ワンセグチューナーや動画再生、ノイズキャンセラーなど多機能なモデル。コストのかかっているボディも魅力でしょう。
ワンセグのアンテナを伸ばしたときは注目を浴びた記憶が・・・。
解説:SONY製メモリーウォークマンの主力モデルです。シンプルなボディに多機能を詰め込んでいました。
すっぽり手のひらに収まるコンパクトさは今でもしっくりくると思うほどです。
解説:Bluetoothヘッドホン対応になり、デジタルノイズキャンセリング機能と相まって良い音を提供してくれます。
平べったいボディはとてもとっつきやすい形で、操作感もすぐに慣れるほど洗礼されていました。
解説:カナル型イヤフォン一体型モデルである「ウェアラブル ウォークマン」ランニングでもしっかりフィットします。
実際にランニングはしなくともいつか!と思わせるほど耳にぴったりなイヤホン形状です。
解説:Android 4.0搭載機種です。タッチパネル採用でスマートフォンライクであり、今でも現役なベストサウンドな機種といえるでしょう。
操作感もタッチ方式でまるでスマホ感覚です。
現在のラインナップはこちらのカタログを見ていただければ一目瞭然です。表紙は漫画「おやすみプンプン」などで有名な浅野 いにおさんです。
相変わらずラインナップは豊富にあるし、徹底的に音を良くする技術、ハイレゾ音源を楽しめるモデルなど千差万別です。お近くの家電屋などで無料で配布しているので貰いに行ってみるのも良いかもしれません。
全盛期のポータブルオーディオコーナーを知っているものとしては現代の売り場は寂しい限り。
AppleのiPodTouchが生産中止になった今、SONYウォークマンの売り場は逆に貴重といえます。
ここでは実際に各メディアごとに使い方のレクチャーをしていこうと思います。
色々なタイプがあるから使い方がよくわからないと思ってらっしゃる方に向け記載しました。
覚えてしまえばなんてことないので、ぜひご一読の上試してみてください。
ただし、手元にあったウォークマンを中心に解説したので、全てのシリーズに実用できるとは限らないのでご了承ください。
まずは音源が入ったカセットテープのA面もしくは「Side A」または「Side 1」と印刷しある面を手前にしてください。
向かって左側に黒色のテープ部分が集まっている、右側には黒いテープ面が無いことと、記録面を見て透明なテープを見えることを確認しましょう。
このカセットテープの状態で再生をすると、1曲目から始まります。
それではカセットテープメディアをウォークマン本体に挿入してみます。
本体の蓋を開けるとテープを読み込む機構であるヘッド部分が見えますので、このヘッド部分とメディアのテープが同一方向になるようにしましょう。
この時もしメディアが逆ですと、蓋が閉まりませんので無理に挿入しないでください。
正しい方向でメディアを挿入できたら本体の(またはリモコン)再生ボタンを押し、再生スタートです♪
なおリモコンはいくつか種類はありますが、ウォークマンの場合多くは使い回しが効くケースが多いです。
どうしても同モデルのリモコンが見つからい場合でもすべての機能は使えませんが再生・停止・音量調整ぐらいは行えます。
中古ショップなどでSONYのマークがついているリモコンがあったら購入してみるのもいいかもしれません。
バッテリーは、本体収納式や電池ボックス、ガム電池などがあります。乾電池の多くは単三電池ですが稀に単四電池もございます。
電池ボックスは電池を入れ、本体に取り付けます。聞いている途中でもバッテリー交換は容易に行なえます。
ガム電池は専用のバッテリー充電器が必要です。種類としてはニッカドを使ったものから、ニッケルまでバリエーションはあります。
ガム電池ならびに専用充電器は今でしたらAmazon様でも手に入れることは可能です。
☆Amazon様のサイトで「N H -14WM互換」や「NICJOY製 多機能充電器」と入れ検索してみてください。
音飛び機能であるESPやG-PROTECTIONをON、低音の強調をするDBBもONにします。
音飛び機能は内蔵チップにどれだけ記憶できるか?が大きなメリットでした。年々記憶できる容量が増え実質的に音飛びしなくなりました。
カセットテープ同様メディアを挿入する方向があります。右上にあるMDマークの下にあるシャッターが向かって右にある事が大切です。
本体蓋を開けゆっくりとメディアを挿入してください。この時決して無理に押し込んだりしないでください。
ディスクは最後までしっかり入れ蓋を閉じます。
この時多くのウォークマンは「カシャッ」と音がします。
本体を見ていなくとも閉まったかどうかの判断は音で判断できました。
録音モデルではアルバムや曲のテキストを入力することができます。
ただし初期のモデルはまるでテンキーのようなボタンで操作は独特でした。
後期モデルになるとSONY独自のジョグダイヤルで直感的に入力ができるようになり、録音モードの選択(LP:ロングプレイ)も備わってました。
また、録音モデルにはシンクロ録音ボタンがあり、外部の音源(カセットやレコード)を取り込む際、スムーズに録音できるようになっていました。
MDウォークマンの特徴としては小型化が上げられると思います。特にMDは各社がしのぎを削っていました。
これはメディアが元々小さいのに加え、再生機構のメイン基板を小さく取れたこともコンパクト化を推進した結果だと思います。
音場選択やイコライザーなどサウンド調整の選択はもっぱらリモコンで操作します。ボディが小さいモデルは場所が無いのです。
なお、音飛び防止機能は元々MDはCDに比べ音飛びしづらい機構なので進化はしていない印象でした。
デジタルオーディオの多くは連携ソフトが必要です。これはアップルのiPodにおけるはiTunesと同じです。ソニーはいくつかのアプリが存在します。
録音の音質は音源のビットレートで決まります。このあたりはデジタルな話なので割愛致します。
曲のタイトル付けは勝手に行ってくれますので便利です。もちろんジャケット画像も自動で貼り付けてくれます。その他機能ではYOUTUBEや動画ファイル再生。ラジオやワンセグ視聴、WEB閲覧などほぼほぼスマートフォンと同じ機能を持っている機種は多いです。
サウンドでいうと、ハイレゾ再生やノイズキャンセル機能が搭載されているのは驚きですね。
ウォークマンの多くは動作品ですとショーケースに入っているものが多いです。たまにジャンクコーナーにもありますので足を運んでください。
メリット:実物に触れて調べられる/テストコーナーで試すことが出来ます。近年はショーケースに入っていることが多いので、気軽に店員さんに聞いてみましょう。
デメリット:価格が高い場合が多い。
★ショップで購入する際に必ず見るべき箇所が有ります。それは電池を入れる蓋部分です。
以下に特徴的な損傷の例を載せておきます。この画像は私が実際に購入したものですが、中にはとっても綺麗なものも販売していたりします。ぜひ購入をする前には必ず見るようにしましょう。
上の画像はガム電池が劣化していて液漏れを起こしているウォークマンです。こうなるとバッテリー端子や基板へのダメージが大きく、作動しないケースが殆んどです。こういった本体の購入は控えたほうが良いと思います。
また、回転する部分のベルトやギア(歯車)が劣化状態の物も多いです。
この場合当然作動はしませんので注意が必要です。見分け方としては回転する機構を手で回してみるのが早いかもしれません。あまりにも手応えがないものや、硬くて回らないものなどは手を出すべきではないですね。
次にネットやオークションでの購入についても考えてみました。
近年ではネットでの購入が多いと思います。
実際に手に取れない分説明欄の記載内容はとても重要です。オーバーホール品などをうたっている出品者も多いので、商品説明はしっかりと読みましょう。
メリット:探すのが簡単/掘り出し物が見つかる
デメリット:情報不足により故障品との見分けがつかない/配送時に壊れることもある
上記の点が上げられると思います。すでに40年以上経過した機械もあるので動くほうが珍しいとは思います。
壊れていても修理できるという方は既に実行されていることでしょう。
発売からもう何十年も経過しているウォークマンはメーカーでの修理終了しているケースが殆んどです。
修理するにも部品が無いということも多々ありますので注意が必要です。
ただ、秋葉原の電材屋さんに行けば多くの部品を販売しています。
例えばカセットテープなどのベルトは今でも1本単位で販売をしています。
電子工作が好きな方はぜひ足を運んでみるのも良いかもしれません。
ポータブルオーディオプレイヤーについて考えれば考えるほど、私の人生にいつも寄り添っていた存在だということに気がつきました。
学生時代、図書館で勉強中の時や、部活の試合前の集中の時間など、いつも私のそばにはウォークマンがありました。
社会人になってからの通勤の時間や、休憩時間などもいつもポケットにはウォークマンがあったことに気がついたのです。
現代ではウォークマンの代わりはスマートフォンがになっており、音楽専用の再生機器を持つ必要がなくなってきています。
それでも私はウォークマンが有る生活になれてしまっているので今でも音楽はウォークマンで聴いています。
昭和レトロブームで古いオーディオ機器は軒並み値上がりしています。ウォークマンも一部の機種は定価以上の価格にまで上がっています。
手が届かなくなる前にお気に入りの一台を探してみてはいかがでしょうか?