大槻ケンヂ率いる筋肉少女帯の記念すべきメジャー・デビュー・アルバム。オリジナル・メンバーでの演奏で「釈迦」「サンフランシスコ」「ノーマン・ベイツ」など初期の代表曲を数多く含む全9曲収録しています。
インディーズシーンで数々の伝説を残した彼らが満を持して発表したのがこの「仏陀L」。収録曲の多くはインディーズ時代のユニット「空手バカボン」からアレンジし直した曲ばかりです。タイトル名を見ても何のことかわからないと思いますが、一度でも曲を聴いてもらえればその異様な世界観を理解が出来るはずです。
<収録曲>
A1 モーレツ ア太郎
A2 釈迦
A3 福耳の子供
A4 オレンヂ・エビス
A5 孤島の鬼
B1 サンフランシスコ
B2 イタコ・Love ~ブルーハート~
B3 ノーマン・ベイツ
B4 ペテン師・新月の夜に死す
どうですか?タイトルを見る限り、どんな曲なのか皆目見当も付かないですよね。そして、曲を聴いてみると、歌詞がとにかく意味不明な点に気が付くはずです。
全ての作詞はヴォーカルの大槻ケンヂが書いており、不思議な世界を繰り広げております。大槻ケンヂのルックスはというと、髪をモヒカン刈りにし、顔にヒビを描き終始落ち着きがない、まさにパンクスタイルで見ているものの度肝を抜きました。
ちょうど同時代のスタイリッシュなヴォーカリスト「氷室京介」の対局にあるといえますね。大槻ケンヂは後にエッセイや小説を発刊し、根暗なキッズ達のカリスマとして活躍していきました。
サウンドについては決して軽い訳ではなく、むしろズッシリと重い粗削りなハードロックです。前身のユニット「空手バカボン」は自らを最後のテクノバンドと名乗っていたのですが筋肉少女帯では荒削りなパンクロックのテイストが感じられます。これはパンクロックの「ばちかぶり」のギター「関口博史」の加入が大きいといえます。
ほかのサウンドの特徴としては、縦横無尽にピアノが暴れまわる点でしょうか。クラシック畑を目指した若き天才「三柴 理」の激しいピアノリフとソロプレイが聴き所です。破天荒な生き様で有名な彼のプレイは、この後のセカンドアルバムが最後となりクラシックシーンに羽ばたいていきました。
このアルバムは当時、特にヒットしたわけではないのですが、筋肉少女帯の存在を世にアピールするには十分でした。異色な世界観はこの後のアルバムでは如実に表現されていき(私のような)固定ファンを作っていきました。
現在でも筋肉少女帯は活動をしておりライブでのパフォーマンスは見ていて楽しいものです。是非皆さんも一度足を運んでみてはいかがですか?