1960年代から90年代にかけて、出身国の中華民国(台湾)のみならず、日本、シンガポール、タイ、マレーシア、そして中華人民共和国にかけてまで支持された「アジアの歌姫」テレサ・テンの海外製カセットテープをお譲りいただきました、ありがとうございます。
日本においては70年代と80年代に演歌系・歌謡曲系の歌い手として人気となったテレサ・テン。特に84年に再来日して以降は『つぐない』『愛人』そして『時の流れに身をまかせ』を発表し、三年連続で日本でのミリオンヒットを記録しました。また、日本での活動期間中、オリジナル曲以外に多くの日本語の楽曲をカバーしたアルバムをリリースしています。カバーされた曲は演歌・歌謡曲にとどまらず、70年代ニューミュージック、90年代J-POPと幅広いジャンルにわたっており、日本語で日本人以上に情感たっぷりと日本人の心情を歌い上げました。
もちろんテレサ・テン自身は本来の中国語での曲も台湾を中心に多数発表しています。台湾の中華民国と大陸の中華人民共和国は当時も対立関係にありましたが、テレサ・テンの歌は中華人民共和国でも人気で、主にレコードではなく海賊版のカセットテープとして流通していました。
また、台湾側も彼女の歌を収録した音楽テープを風船で大陸に向けて飛ばすなど、政治的利用にも使用されていました。
今回お譲りいただいたテープは香港に旅行に行った際のお土産として持って帰られたとのことで、2本のうち片方は未開封でした。1987年に中国共産党と台湾政府の関係が良好となり、台湾の商品が大陸で流通するようになっています。今回のテープに84年、85年発表の『つぐない』『愛人』が収録されている点からも、この時期以降のものであることがわかります。パッケージにある会社の住所からテープは台湾製、「原版」とわざわざ表記されているところから「海賊盤ではない」という但し書きなのだと思われます。
なお、パッケージや曲目、中の歌詞カードなど多くが日本語表記です。これはもちろん収録曲が日本語であることも理由でしょうがこの時期はまだ戦後40年程。大陸でも台湾でもまだ、日本の占領下での日本語教育の影響で、年配者なら普通に日本語がわかる世代も多かったものと思われます。
今年(記事執筆時2024年5月)に入っても、テレサ・テン生誕70周年、日本デビュー50周年(そして没後30年)を記念したベストアルバムがリリースされるなど今なお人気の衰えない永遠の「アジアの歌姫」。先述のミリオンヒット3曲などは多くの日本人歌手によってカバーされていたりしますが、若い皆さんにもぜひ聴いてみてほしいですね。
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