ライブハウスは音量と照明、狭さが特徴です。
音の面では本格的なライブ用のアンプ(100w以上)をPAシステムで制御するわけですから、爆音が鳴り響く、ライブハウスでしか味わえない迫力があること間違いなしです。
そんなライブハウスは防音の関係もあり、窓もなく、暗く狭めの空間です。
控室も例外ではなく、対バン相手のギター・ベース・ドラムのスネアやペダルでごった返し、逆にステージに立てばたくさんのライトで視界が照らされます。
要約すると、熱くて暗くあわただしく、轟音が鳴っている…
そんな非日常な空間がライブハウスではないかと思います。
そこであなたがステージに立つとして、選ぶエフェクターとして最もふさわしいものを考えたとき、いい音が出ることは大前提として、個人的には楽なものを選ぶのがベストだと思っています。
演奏のために30分時間を借りるわけですから、常に時間や場所との闘いを強いられます。
初めてのハコともなれば、やはり緊張もしますので… できるだけ不安要素やかかる時間は減らしたいところですね。
ライブハウスには魔物がいます。
「ソロや見せ場でトラブルが起きる」ことを魔物が現れた、なんてよく言いました。
誰であろうと…1回くらいは遭遇します。
魔物の正体なんですが、たいてい小さなものなんですよね…。
シールドが少しだけ外れていたり、電源が不安定だったり。
事前の機材チェックはもちろん、トラブルが起きてもすぐに立て直せるような機材選びも大切なポイントです。
ライブ前であれば、ライブに準じたエフェクターを持っていき、そのセッティング出しに専念するのがよいですね。
バッテリーやACアダプターは勿論、シールド、インプット部分にゆるみがないか、状態をしっかりと確認しておきましょう。
逆にスタジオでカンタンな録音をしながら、バンドのみんなと作曲やデモづくりをするのであれば、様々なエフェクターを持ってきて、実験してみるのも楽しいんですよね。
全体とのバランスや音作りを客観的に確認できるスタジオ録音は上達への早道だと思います。
ちょっとした練習からデモ作成であれば、リーズナブルなエフェクターでも問題ありません。
これは普段使わないかな…というようなサウンドのエフェクターも、ガンガン使ってしまいましょう。インスピレーションの源にもなります。
コスパの点から考えますと、一番有名なのはベリンガー社のコンパクトエフェクターでしょう。
プラ筐体を採用するなど、生産コストを徹底することで圧倒的なプライスを実現!
王道から「コレ、面白い!」というような変則的なモノまでバリエーションが豊かです。
コレで十分!自宅でもイイ音で鳴らしたい!
『BEHRINGER / TM300 チューブアンプモデラー』
どこかでみた青色をしたコンパクトですが、中身は別物で厳密にはアンプシミュレーター。安価なアンプでもチューブ感のあるサウンドに仕上げられるのがいいですよね。独自色を打ち出しつつしっかりと使えるエフェクターに仕上がっております。
過激ファズが欲しいならコレ!
『BEHRINGER / SF300 SUPER FUZZ』
何を弾いているかわからなくなるほど歪ませることができるハードコアな一台
生産停止になった某コンパクトエフェクターがモデルと言われていますが、その過激な音色はプロにも愛用者の方がいらっしゃいます。
ホントに過激なんですよ。改造ベースにもどうぞ!
自宅練習ではマルチエフェクターもかなりおすすめ!
『ZOOM G1 FOUR / G1X FOUR』
ZOOMのマルチはサウンドも操作系も洗練され、特に使いやすさに磨きがかかっており、気軽に使えるマルチとしては最高のバランスだと思います。液晶UIもどことなくカワイイ。
特に重視していただきたいのはAUX端子の有無。音源と同時に再生できるので練習に最適です。アンプでの音出しがしにくい環境でも安心ですね。
まずは自分の好きな音であること、これは一番ですね。絶対に大切にしましょう。
広さや環境が異なってきますから、どれだけ自宅でセッティングを固めても、リハーサルで音色の若干の調整をする必要があります。
エフェクターによってアンプとの相性がありますので、事前に相性を確かめましょう。
(スタジオのスタッフさんに聞けばライブハウスと同型のアンプをレンタルできることがあります。)
スタジオやライブハウスには定番アンプと呼ばれる最初から設置されているアンプがあります。
ギター系だと「Roland JC-120(通称:JC/ジャズコ)」「Marshall JCM2000(通称:マーシャル/2000)」。ベースだと「Ampeg SVTシリーズ」など。
個人的な感想だと、マーシャルは結構壊れやすいです・・・ リハスタですが経験した限り6回ほど鳴らなくなっていました。大切に扱いましょう。
一概には言えませんが、リードギターがマーシャル、リズムギターがJCであることが多いです。
JC-120を縦置きにすれば低音鳴りに迫力は出ますが、禁止しているスタジオやライブハウスもありますので、傾ける時は必ず許可を得ましょう。
ライブハウスでコンセント経由で使用した場合、電圧の不安定が原因でノイズが発生する場合があり、エフェクターがノイズを拾うと想定していた音が出ないなど、動作に支障をきたす場合があります。
そのため、意図しないノイズはできるだけ避けた方が良いでしょう。
特に歪み系エフェクター(オーバードライブやディストーションなど)はノイズを拾いやすい傾向にあります。
コンセントではなくて、電池を入れて駆動させることである程度ノイズを抑えられますが、特定のペダルは電池使用時の駆動時間が極端に短い場合がありますので、購入の際には必ずチェックしておきましょう。
なお、ノイズを軽減させる「ノイズリダクション/サプレッサー」というエフェクターもありますが、あくまで補助的なものと考えた方がいいです。
演奏や転換時のトラブルなどで、ライブの時間が押してしまうことが多々あります。
そのため、いざ自分たちの番になった際に、なるべく早く速やかにステージ上でセットアップする必要があります。
よく行われているのはボードなどにエフェクターを最初から固定して配線を行っておき、ステージ上では楽器とアンプを繋ぐだけの状態にしておく方法です。
そのため、エフェクターもコンパクトな物だとたくさん並べても小さいスペースですみますので、エフェクターを選ぶ際には大きさについてもポイントの一つとして考えておくといいです。
ボードを組んでおくと、控室で場所を取らず、設置や撤収も素早くできるので、複数のエフェクターが必要となってきたらおすすめの方法です。
なにより、終演後は体力的にもやはり疲れるので、荷物が持ち運びしやすいのは楽です。
複数のパラメータを一挙に操作できるエフェクターも多くなってきましたが、やはりライブなどで使うのであれば、シンプルな操作性のモデルがおすすめです。シンプルな物であれば、リハーサルや演奏中の調整や、万が一トラブルが起きた際に復帰しやすいです。
[st-kaiwa3]調整した際にマーキングシールで目印をつけておき、いつでも好みのセッティングを再現できるようにしておくのもお勧めです。
結構プロっぽくも見えます♪
テープでノブを固定するのもアリですが、微調整ができなくなってしまう点には注意ですね。
足で踏んで操作するものなので、強度の低そうな外観の物はあまりおすすめできません。
最近はプラスチック筐体で素晴らしいモデルも多数ありますが、頻繁にON/OFFしていると外装が割れて壊れる場合があるので結構恐いです。
その点、スチールやダイキャスト製の外装の物であれば頑丈でタフですから安心して使用できます。
自分はプラスチックの外装が割れて、スイッチがONになったままOFFに戻せなくなった経験があります。
厳密にはエフェクターではありませんが、ライブの必需品のためピックアップしました。
近年のクリップ式チューナーも精度は大変高いのですが、安心感と信頼性ではいまだペダル式チューナーに軍配が上がります。
ミュート機能も付いていますので、ボーカルがMCをしている間にサッと済ませられます。
オーバードライブからディストーションまで一台で実現可能な幅広さ。
それにBOSSブランドの安心感から高校生バンドを中心に高い人気を誇っていました。
本当にかなり使用者が多かったですね。
COLORノブで独自のサウンドメイクが可能ですが、初心者でも気軽に設定しやすい器用なサウンドです。
軽音サークルで必ず一人は使っていた大定番、大人気の一台です。
特に邦楽好きなギタリストなら必ず一回は意識するペダルでしょう。
ピッキングで歪ませるようなドライブ感から、チリチリとしたディストーション・ファズに近い歪みまで多芸なところも人気の秘密だと思います。
価格も手頃なので、合わなかったとしてもあまり痛くないですね。
90年代を代表するアーティスト達に愛されたアナログコーラス。
がっつりと掛かりが太く、気持ちいいんですよね。クリーンでかけてもよし、ディストーションと一緒にソロを弾くもよし。デザインも海外製らしさを感じる筐体でボードでも存在感があります。
歴史的名機ですが、中古でも安定して手に入るところがありがたいですね。
欠点はACアダプタがセンターマイナスでないこと。
電池駆動、もしくは変換ジャックを持っておきましょう。
小型モデル「Small Clone NANO」もありますがサウンドと操作系統が若干異なります。ここは好みとボードのサイズで選んじゃいましょう。
音色も素晴らしく、何より安い本機。愛称は“ツーブレーター“。
ブースター・オーバードライブとしてお勧めです。
ACよりも電池駆動をお勧めします。ライブ前には9Vの残量を必ず確認しましよう。
プラ筐体なので状態には気を付けてほしいのですが、加工しやすさを逆手にとり、初めての改造ベースにもおすすめ!
あなただけのTUBULATERにしてしまいましょう。 エフェクターに“沼りたい”あなたへ!
リードギタリストの初めての空間系にお勧め。
おなじみのガンガン使えるダイキャストボディに設定幅も相当に広いので、たいていの楽曲はカバーできちゃいます。
邦楽コピバンをやるなら、持っておいて損はないです。
DD-8はデビューしてそれほど時間が経っていない新型なので、中古で狙うなら「BOSS DD-7」でも悪い選択ではないと思います。
初代モデル「BOSS DD-3」は現在、中古BOSSコンパクトで最も安く手に入るデジタルディレイです。
80年代デビューのエフェクターなので逆にナウいかも。効果的に使っちゃいましょう。
どちらも購入前に状態と動作確認はマストです。
バンドをやってるやつの中でも、ベーシストの立ち位置は独特です。
言われてもいないのに、なぜか飲み会でも自然と集まったりしますね。
ベースには各パートの橋渡し役としてボトムを支える仕事がありますのでギターよりも音質補正を担うエフェクターが多いです。
一部中古品も含めて、お勧めの定番エフェクターを用意しました。
大定番ですね。幾年にもわたる改良でついにMIDが調整できるようになりました。
サウンドにパンチを与えたい人にはまずお勧めできる名エフェクターでしょう。
極端なセッティングはアンサンブルで埋もれがちな音となりますので、バンドサウンドではセンターを起点に最適なポイントを探ると他パートに喜ばれます。
(でもゴリゴリにするとホントに気持ちいいんですよね)
かつてサンズにミドルが無かったころ、MID感がどうしても欲しいユーザーはコレを狙っていました。
サンズ直系のサウンドながら、アンペグ系を意識したアンプライクなドライブ感でゴリゴリ弾き倒したくなるサウンドでした。
現在は「SansAmp VT Bass DI」へとモデルチェンジ。
より多彩になった現行型も素晴らしいですが、中古で前世代モデルを探すのも良いでしょう。
価格もこなれており、即戦力のエフェクターです。
できればスピーカーシミュレーションスイッチのON/OFFができる後期型がライブ向きです。
原音を失わずにしっかりと掛かります。どことなく石っぽいゴリゴリしたサウンドですかね。
一気にドンシャリになるカラースイッチも使い勝手がよく、ベーシックなスラップにも最適。
オーバードライブチャンネルもあり、飛び道具的な使い方も1台でカバー出来るところもいいですよね。総合的なコスパはかなり良いです。
ハイファイ指向の方へお勧めです。
コスパもよく、サイズも小さいうえに高級感のあるルックス、この2つが両立したエフェクターはなかなか無いですね。
15V駆動モデルとなりヘッドルームに余裕があるので、パワーのあるベースでも歪まず積極的に使用できます。
ただし、専用アダプタでしか動作しない点とエンハンサーに独特のカラーがあるので、事前にセッティングをある程度出しておきましょう。
ベースアンプとしても有名なEBS製の傑作大定番コンプ。もう本当にこれは最高ですね。
チューブモードで太くするもよし、積極的な音作りのアプローチが可能です。
よく「コンプを使うと下手になる」と言われますが、コンプの味わいはコンプでしか出ないです。
中途半端が一番よくないです。かけるなら効果的にしっかりかけましょう。(スレッショルドの設定次第では迫力がなくなりますので注意)
リセールバリューも最高ですが、ハマると手放せないですよ。
コレで3分くらいソロ弾き倒すの楽しいですよ~!
飛び道具寄りの使い道をされるプレイヤーが多めです。名前こそ「オーバードライブ」ですが、どちらかといえばバリバリとしたトレブリーな歪みでややゲインが強めに感じます。
常時ON状態では扱いづらいところもありますが、原音とミックスできるBALANCEノブの調整次第で面白いサウンドに仕上げることができます。
今回は自分の経験も含めて、ライブハウスやスタジオで使用する、エフェクター選びについてまとめてみました。
自宅で使う分にはあまり意識しないで選んだりしていますが、実際ステージ上などで使う際にはセッティングの事や配線の事など結構その場になってはじめて気づくこともあるので、参考になったら幸いです。
みなさんも良いギターライフを!