【2022年度版】レコード用MM&MC型カートリッジおすすめ12選

レコードのカートリッジを選ぼうと思ってカタログスペックを見てみると、何やらわからない単語のオンパレード。似たような見た目で値段が違うものもあり、何がどう違うのかいまいち掴みにくいですよね。
かくいう私もその一人。アナログの世界を知るうちに音の追求の奥深さに魅了され、カートリッジを買い替えようと様々な製品の情報を確認しましたが違いが分かりませんでした。

しかし、私と同じお悩みがある方もご安心ください。このコラムでは、おすすめカートリッジ12種類を音質に触れて紹介しています。もちろんカートリッジ変更前に理解が深めやすいよう、選び方のポイントや聞き慣れない専門用語についても解説しました。

さらに音にこだわりたい、という方に向けたお役立ち情報もございます。カートリッジを交換して、アナログレコードに刻まれた音色を聴きつくしちゃいましょう。

レコードはカートリッジが音を創る

おすすめのカートリッジについて紹介する前に、皆さんはレコードカートリッジになぜ違いが生まれるのかをご存じでしょうか?

まずはカートリッジの内部構造やパーツ類に着目しつつ、具体例を交えながらカートリッジの違いで音がどのように変わるかをまとめました。
どれもおすすめカートリッジを見る前に知っておくと役立つ情報となっています。ぜひ一度ご覧ください。

カートリッジは音の起点

レコード カートリッジ近隣パーツの解説
(引用:https://www.denon.jp/ja-jp/blog/9472/index.html)

カートリッジはレコードに刻まれた音情報を最初に受け取る重要なパーツです。これを理解するにはカートリッジの役割をイメージする必要がありますので、アナログレコードの音が鳴る過程を図を用いて解説します。

(引用:https://www.kodomonokagaku.com/read/hatena/5341/)

上図のピンク枠に囲まれた部分をご覧ください。アナログレコードには小さな溝があり、これは音に関する情報が刻まれていることから音溝と呼ばれます。
レコード再生時にカートリッジの針先が音溝に触れます。図の矢印の流れで、電流が流れることで針先でレコードから読み取った情報をカートリッジ内部のコイルや磁石で電気信号へと変換されます。その信号がアンプで増幅され、スピーカーから音が発生します。

この過程を見ればわかるように、レコードから音を受け取る起点がカートリッジです。

カートリッジによって音質は決まる

(引用:https://www.phileweb.com/review/column/202108/14/1353.html

レコードカートリッジは電気信号に変換する仕組みによって大きく2種類に分けられ、さらに上の図解のようにボディや針など複数のパーツによって構成されています。
これらの組み合わせによって、同じレコードを再生してもカートリッジごとに音質に違いが生まれます

例えば中低音で迫力あるサウンドが得意なカートリッジや、高音域の音の伸びが素晴らしいもの、低音から高音域まで鳴るうえにフラットな音質のものもあります。

したがって、レコードプレーヤーの音に影響を与えるパーツがレコードカートリッジといえるでしょう。

次節からカートリッジの何が違うことで、どのように音質へ影響を及ぼすのか解説します。

カートリッジの型で音域に差が出る

レコードカートリッジの内部構造の違いにより、型には大きく分けてMM型MC型の2種類が存在します。この2種類はそれぞれに得意な音域の傾向があります。下記にて、これらの特徴をまとめます。

低中音が得意なMM型

(引用:https://www.phileweb.com/review/column/202108/14/1353.html

MM型の特徴は出力が高く、迫力ある音が出やすい点です。
MMとはムービング・マグネット型の略称で、マグネットが針の動きで振動し後部に巻かれたコイルに電圧が発生することで信号を得ます。

ちなみにMM型は10,000円~50,000円ほどで購入でき、針先の交換も自分で行えるので入門向けカートリッジとして取り扱われることが多いです。

高音域の再生が得意なMC型

(引用:https://www.phileweb.com/review/column/202108/14/1353.html

MC型の特徴は出力が低く、高音域の再生に強い点です。
MCとはムービング・コイルの略称で、巻き付いたコイルが動くことで電気信号を得る仕組みです。

なおMC型は50,000円~数十万円以上の製品が多いです。加えてMC型は仕様上、出力が低いため昇圧トランスまたはヘッドアンプを購入する必要があります。
ゆえにMM型よりは導入までに費用がかかるでしょう。

MM型とMC型の特徴まとめ

前節で紹介した型による違いは下図にてまとめます。カートリッジ選びの参考となれば幸いです。

レコードカートリッジ MC型とMM型の比較表1
※MM型の中でも一部、針交換不可のモデルもございます

針先で音の解像度が変わる

カートリッジの針先はレコードの音溝に直接触れる部分であるため、音の情報を正確に読み取ることに影響するといえるでしょう。

針先は素材と種の2つの要素から生まれる違いがあります。
素材は近年ダイヤモンド製の針が多く、全身がダイヤモンドのものを無垢針、そうではない針を接合針と呼びます。
種類は丸針楕円針ラインコンタクト針(=シバタ針)と大きく分けて3種類存在します。
一般的に針の名称は「接合丸針」のように素材+針先の種類で表記されます。

これらの違いがレコードにどのように影響を与えるのか、図を用いて解説します。

音の立ち上がりが良い無垢針

レコードの再生をはじめたときに音が伝わりやすい針を、無垢針といいます。

レコード針は下図のように構成する物質の違いによって接合針と無垢針にわかれます。

(引用:https://www.ortofon.jp/analogtaizen/10)

接合針とは針先だけにダイヤモンドのチップを使用した針です。支柱パーツには、硬い金属素材が使われます。
対照的に、無垢針は針全体がダイヤモンドからできています。

なおダイヤモンドがレコード針の素材として主流になった理由は長時間鑑賞できるレコードが登場したことに伴い、長時間使用できる耐久性が針にも求められるようになったためです。(※1)

※1.参考:JICO レコード針の仕組み ( https://jico.online/2019/06/12/howstylusworks/

レコードに刻まれた本来の音を引き出すためには、音溝から微細な揺れを正確に受け取る必要があるため針先が軽いことが重要です。
そして無垢針は金属を使った接合針よりも軽いため、揺れを微細に捉えることができます。

したがって無垢針と接合針で比較すると、音の立ち上がりが早いのは無垢針といえます。ちなみに無垢針は全身がダイヤモンドであるので、接合針よりも価格が高くなります。

ラインコンタクト針は音の解像度が高い

レコードの針先はいくつか種類があり、それによってレコードの音溝をなぞる精度に違いがあります。最も音の解像度が高いといわれるラインコンタクト針(=シバタ針)を含め、丸針と楕円針の3種類について解説します。

(引用:https://www.ortofon.jp/analogtaizen/10)

丸針はボールペンのように丸い針先で、音溝へ点で接触する針です。丸針はレコードに点で接触するため、安定した音の再生が可能です。ただし丸針は音溝に触れる面積が少ないため、レコード再生時に音の解像度が低くなることがあります

(引用:https://www.ortofon.jp/analogtaizen/10)

楕円針は上図のように針の前後が楕円形に削られ、音溝に点あるいは線で接触します。楕円針は丸針と比べ、レコードに深く入り込み接触するため音の解像度が高い針です。このため丸針よりもレコードをしっかりトレースし、音の歪みが少なくなった針が楕円針といえます。

(引用:https://www.ortofon.jp/analogtaizen/10)

ラインコンタクト針(=シバタ針)は、音溝へライン状に接触します。先に紹介した2種類と比べ、ラインコンタクト針は音溝へ確実にライン上で触れるので音の解像度が最も高い針です。

以上を鑑みて、アナログレコードに刻まれた本来の音を最大限に引き出すためには、ラインコンタクト針が適しているといえます。

ちなみに同じカートリッジに対応する交換針の価格は、トレース具合が優れたものほど高価です。つまり価格が高い順にラインコンタクト針>楕円針>丸針となっております。

針先の違いのまとめ

下記の表にて、針の素材や針先の種類による影響をまとめております。

・針の素材

・針先の種類

レコード針先の種類による比較の表

失敗しない!カートリッジ選びのポイント7つ

カートリッジのスペック表に載っているデータや単語の意味、きちんと理解できていますか?
意味を知らずにお手持ちのレコードと相性が悪いカートリッジを使っていると、特定の音の歪みやボーカルが伸びないといった違和感を引き起こしがちです。

そんな事態を防ぐために、本章ではレコードカートリッジ特有の単語の意味も紹介しつつ、自分にあったカートリッジを見つけるためのポイント7つを解説します。
次章のおすすめカートリッジ紹介で役立つこと間違いなしの情報ですのでぜひ一度ご覧ください。

①用途はリスニング用 or DJ用?

DJ ターンテーブル

DJ用に使用するなら、オススメはMM型で針先は丸針を選ぶことです。MM型をオススメする理由は、DJプレイで強い負荷がかかり折れることがある針先をMM型なら交換できるためです。

丸針をオススメする理由は針先の特徴が関係しています。以下に特徴をまとめたので、ご覧ください。

レコード針先の種類による比較の表 2

まず丸針はレコードの音溝に点で接触するため、深くまで入り込みません。つまりスクラッチによるレコードへのダメージがどの針先よりも少ないです。
そして得意な音域も低中音のため、ポップスやテクノと相性が良い傾向にあります。

以上の理由でDJプレイ用の場合はMM型の丸針仕様をオススメします。もしリスニング用であれば、この次の解説をご覧ください。

②よく聞くレコードのジャンルでカートリッジを決める

アナログレコード ジャズ

よく聴く音楽がロックやポップスなど中低音がメインのものでしたらMM型を、クラシックのように高音域がメインならMC型がオススメです
こちらは前述した通り、カートリッジは基本的に型ごとで得意な音域が異なるためです。

次章のおすすめカートリッジ紹介にて製品別に得意な音質も掲載しています。ぜひご覧ください。

③カートリッジ+ヘッドシェルの適正重量を確認する

アナログレコード ヘッドシェル

お手持ちのプレーヤーに付属するトーンアームで正しい針圧調整(※2)ができるように、カートリッジ/ヘッドシェルの適切な重さを確認しておきましょう。適正重量はレコードプレーヤーの取扱説明書に記載されています。

※2.針圧調整とはレコード針にかける重さの調整のこと。

例えばカートリッジとヘッドシェルが重すぎる場合、トーンアームのおもりでの針圧調整が難しくなります。また調整できたとしても、厳密に言えばカートリッジ本来の性能を引き出せなくなります。

したがって確認せずにカートリッジを購入してしまうと、カートリッジ本来の性能・音質を体感できません。お手元のトーンアームの対応自重(カートリッジとヘッドシェル)を必ず確認しましょう。

針圧による音の特徴

基本的にカートリッジの針圧は推奨される中央値で設定することで、音の響きが良くなります。
これは中央値に設定することで、カートリッジの針先を支えるダンパーの支点が中央をとるためです。

針圧は重くなればなるほど低域の再生に重みが増し、高域の音はさっぱりします。逆に軽くなれば低域の再生があっさりとするでしょう。

ただしカートリッジのスペック表にある適正針圧から、カートリッジの音質がわかるわけではありません。あくまで設定する針圧によって音に違いが生まれることを、お知りおきくださいますと幸いです。

④MM型は交換針の確保も重要

(引用:https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/271893/

お気に入りのMM型カートリッジに出会えたならば、交換針もセットで購入することをオススメします。

基本的にレコードカートリッジは針先が摩耗し、針交換が必要になる時が来ます。MM型の場合は交換針を購入すれば、カートリッジの購入は必要ありません。
ただMM型カートリッジの交換針が生産終了となってしまい、購入できなくなる場合もあります。

よって自分好みのMM型カートリッジがある場合は交換針も購入しておきましょう。
なおMC型の場合はメーカーに交換依頼をする必要があるため、交換針の購入はできません。(※3)

※3.一部例外のMC型、MM型カートリッジもあります。

⑤MC型は機材に対応したインピーダンスか確認する

audio technica MC昇圧トランス AT670T
audio technica 昇圧トランス AT670T

お手持ちの昇圧トランスないしはヘッドアンプが、カートリッジの内部インピーダンス(※4)と同様もしくは大きく受ける設定ができるならばレコードの再生は可能です

※4.インピーダンスは交流に対する電気抵抗を指す言葉。

ざっくり説明するとカートリッジの内部インピーダンスとは、お手持ちの昇圧トランス or ヘッドアンプで電気信号を受ける際にこの値に近い数値で受けることで、カートリッジ本来の性能を発揮できる数値のことです。

このため機材と接続し、出力を上げる必要があるMC型カートリッジで重要視される値です。

最適なインピーダンスは聴き手が決める

内部インピーダンスの最適な数値は、レコード愛好家の中でも様々な論議がなされています。

例えば推奨値よりも低く受けてしまうと音が出ない、迫力がないといった不具合は生じます。しかし推奨値と同値か大きい場合は音が出て、数値によって音に影響します。

したがって、推奨値より小さすぎない限りは聴き手の好みによってインピーダンスの最適値は変わります。

⑥再生したいレコード盤の種類を把握する

レコード盤の音溝の大きさによって対応するカートリッジがあることをご存じでしょうか?
1章でカートリッジの型には大きく2種類あると紹介しましたが、レコードの盤面に対応したものを分類するとさらに3タイプへと分かれます。
カートリッジの針先が大きい順に、SP盤用>モノラル盤用>ステレオ盤用です。

ここで下図をご覧ください。

(引用:https://www.ortofon.jp/analogtaizen/21)

図のように盤面に対応する針先でないと再生不良を起こしたり、盤面に傷をつけてしまう恐れがあります。

したがって再生時の音質の違いにこだわりたい、あるいはレコード盤に傷をつけたくない場合には、対応するカートリッジあるいは交換針を購入する必要があります。
ちなみにモノラルレコードの音溝とステレオ用針のサイズはほぼ差がありません。そのためステレオ盤用のカートリッジは、モノラル盤を再生できます。(※5)

※5.SP盤用の針先はステレオ/モノラル盤を再生できません。それとモノラル盤用の針先をステレオ盤へ使用することもやめておきましょう。盤面に傷がつきます。

⑦出力電圧が高いほど音の迫力が増す

出力電圧は音の迫力をイメージするために参考になる値です。

例えばMM型は出力電圧が3~5mVの製品が多いです。これはカートリッジのなかでも出力電圧が高い数値となっているので、迫力ある音が出るのだな、というイメージができます。
対するMC型は出力電圧が0.3mVほどの製品が多く、MM型の約10分の1程度の出力電圧です。
そのままでは電気信号が弱いままで、音が小さくなり聴きづらい状態です。一定のレベルまで引き上げるために昇圧機材が必要となります。

つまり、出力電圧はカートリッジそのものの音の迫力と認識しておくと良いでしょう。

MM型カートリッジおすすめ7選

MM型カートリッジは製品本来の味付けに加え、針先のカスタマイズで音の違いを体感できる製品が多数ございます。今回は予算が1万円~5万円以内のおすすめMM型カートリッジ7種をご紹介します。

製品メーカー価格※針先出力電圧適正針圧カートリッジ自重交換針
VM95Eaudio-technica¥8,800 → ¥7,920接合楕円針4.0mV1.8g〜2.2g6.1gAT-VMN95E
MP-110NAGAOKA¥19,250 → ¥12,800接合ダイヤ楕円針5.0mV1.5~2.0g6.5gJN-P110
MG-3675CHUDEN¥14,300 → ¥13,300接合ダイヤ楕円針7.5mV2.5g5.8gCN-3675
VM520 EBaudio-technica¥17,600 → ¥15,730接合楕円針4.5mV1.8~2.2g6.4gVMN20EB
2M BlueOrtofon¥29,700無垢ダイヤモンド楕円針5.5mV1.8g7.2gSTYLUS 2M BLUE
VM540MLaudio-technica¥35,200 → ¥31,130無垢マイクロリニア針4.0mV1.8~2.2g(2.0g標準)6.4gVMN40ML
Opus3 (Stereo.High)GRADO¥38,420無垢ダイヤモンド楕円針高出力タイプ:4.0mV
低出力タイプ:1.0mV
1.6~1.9g8gなし(メーカーへ有償交換依頼)
製品名VM95EMP-110MG-3675VM520 EB2M BlueVM540MLOpus3 (Stereo.High)
メーカーaudio-technicaNAGAOKACHUDENaudio-technicaOrtofonaudio-technicaGRADO
価格¥8,800 → ¥7,920¥19,250 → ¥12,800¥14,300 → ¥13,300¥17,600 → ¥15,730¥29,700¥35,200 → ¥31,130¥38,420
針先接合楕円針接合ダイヤ楕円針接合ダイヤ楕円針接合楕円針無垢ダイヤモンド楕円針無垢マイクロリニア針無垢ダイヤモンド楕円針
出力電圧4.0mV5.0mV7.5mV4.5mV5.5mV4.0mV高出力タイプ:4.0mV
低出力タイプ:1.0mV
適正針圧1.8g〜2.2g1.5~2.0g2.5g1.8~2.2g1.8g1.8~2.2g(2.0g標準)1.6~1.9g
カートリッジ自重6.1g6.5g5.8g6.4g7.2g6.4g8g
交換針AT-VMN95EJN-P110CN-3675VMN20EBSTYLUS 2M BLUEVMN40MLなし(メーカーへ有償交換依頼)
※価格は2022年9月15日時点の情報です

予算1万円以内|おすすめカートリッジ

カートリッジ変更をして音の違いを味わいたい方へ、おすすめ商品をご紹介します。

audio-technica (オーディオテクニカ) VM95E

audio-technica AT-VM95E
(引用:https://www.yodobashi.com/product/100000001005227184/)
価格¥8,800 → ¥7,920
針先接合楕円針
出力電圧4.0mV
適正針圧1.8g〜2.2g
カートリッジ自重6.1g
交換針AT-VMN95E(¥4,950)
ヨドバシ.com通販
※価格は2022年9月15日時点の情報です

VM95Eはレコードの音質がよりクリアーになりメリハリが強く感じられるモデルです。このモデルへ交換すればオールジャンルの再生が楽しめること間違いなしでしょう。

このカートリッジは8,000円代とオーディオテクニカのVM型カートリッジの中では安価でありながら、レコードへのトレース具合が中程度の楕円針がついている点も魅力的といえます。

またaudio-technicaのVM95シリーズの交換針から自由にカスタマイズできるのが嬉しいポイント。針交換による違いを体験したい方にもオススメです。

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予算2万円以内|おすすめカートリッジ3選

前節で紹介したカートリッジと比べ、音の解像度が上がるうえに再生時の音に特徴があるカートリッジも増えてきます。
特に音の傾向に触れつつ、おすすめカートリッジ3種類をご紹介します。

NAGAOKA (ナガオカ) MP-110

(引用:https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/261473/)
価格¥19,250 → ¥12,800
針先接合ダイヤ楕円針
出力電圧5.0mV
適正針圧1.5~2.0g
カートリッジ自重6.5g
交換針JN-P110 (¥5,660)
サウンドハウス通販
※価格は2022年9月15日時点の情報です

MP-110はどんな音楽ジャンルにも合う、優等生のようなカートリッジといえます。音質だけではなく楕円針による盤面へのトレース具合への安心感があります。

またVGP ピュアオーディオ部門(※6)で2020年夏、2021年に受賞歴のある優秀なカートリッジです。そして価格帯が2万円以内とはいえ、ほぼ1万円に近いのも嬉しいポイントでしょう。

フラットなサウンドが好みならMP-110で間違いなし、と断言できます。

※6.「VGP」は、1987年にスタートした国内最大級を誇るオーディオビジュアル機器の総合アワードです。

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CHUDEN (チュウデン) MG-3675

(引用:https://www.yodobashi.com/product/100000001005914927/)
価格¥14,300 → ¥13,300
針先接合ダイヤ楕円針
出力電圧7.5mV
適正針圧2.5g
カートリッジ自重5.8g
交換針CN-3675(¥7,260)
ヨドバシ.com通販
※価格は2022年9月15日時点の情報です

MG-3675はジャズやロックといったパンチのあるジャンルが得意です。しかも高域の再生にも対応できるよう、楕円針を採用したうえで各部構造が調整されています。

メリハリのあるサウンドを楽しみたい方へは、MG-3675をおすすめします。また交換針をチュウデンの別製品MG-3605用の丸針に付け替えることで中低音が強くなるため、針先の違いによる変化を楽しめます。

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audio-technica (オーディオテクニカ) VM520 EB

(引用:https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/265853/)
価格¥17,600 → ¥15,730
針先接合楕円針
出力電圧4.5mV
適正針圧1.8~2.2g
カートリッジ自重6.4g
交換針VMN20EB(¥11,410)
サウンドハウス通販
※価格は2022年9月15日時点の情報です

VM520 EBはR&Bやソウルミュージックなど高域の再生が得意です。アース・ウインド&ファイアーは特にカートリッジとの親和性が高いでしょう。また楕円針が採用されているので盤面へのトレース具合もgood。

なおVM95同様にオーディオテクニカのVM型カートリッジは、針先をカスタマイズできます。

(引用:https://www.audio-technica.co.jp/series/vm700

紹介したVM520は上位の600/700シリーズの針とも交換できるため、針の違いを味わい尽くしたい方にもオススメです。

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予算5万円以内|おすすめカートリッジ3選

このクラスの予算になってくるとMM型の中でもハイエンドなモデルの購入も視野に入ってきます。
全体的にこのクラスのカートリッジの針は無垢ダイヤ針であるため、レコードの音の響きが1段階あがります。

接合針から卒業して1ランク上のモデルを使いたい方に向けて3製品を紹介します。

Ortofon(オルトフォン)2M Blue

(引用:https://www.yodobashi.com/product/100000001000868761/)
価格¥29,700
針先無垢ダイヤモンド楕円針
出力電圧5.5mV
適正針圧1.8g
カートリッジ自重7.2g
交換針STYLUS 2M BLUE (¥22,660)
ヨドバシ.com通販
※価格は2022年9月15日時点の情報です

2M Blueは音が開放的でMC型のように高域の伸びがよく、一音一音がハッキリしています。特に得意なジャンルはクラシックでしょう。

おそらく、初めて無垢針のカートリッジを体験したい為にこのカートリッジを購入候補に挙げる方は多いと思います。
というのもMM型であり針先交換もできるモデルなので、針交換できないMC型へチャレンジするのは不安が残る方にもおすすめできる為です。

ちなみに2M Blueはヨーロッパのオーディオ誌でも絶賛される、レコード愛好家達もお墨付きのMM型カートリッジです。

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audio-technica (オーディオテクニカ)  VM540ML

audio-technica VM540ML
(引用:https://www.yodobashi.com/product/100000001003289147/)
価格¥35,200 → ¥31,130
針先無垢マイクロリニア針
出力電圧4.0mV
適正針圧1.8~2.2g(2.0g標準)
カートリッジ自重6.4g
交換針VMN40ML(¥26,180)
ヨドバシ.com通販
※価格は2022年9月15日時点の情報です

VM540MLはフラットな音で得意な音楽ジャンルを選ばず、長く聴き続けても疲れない製品です。こちらはオーディオテクニカの500 シリーズのなかでも、耐久性と音の解像度を追求した最上位のモデルとなっています。

スペックで特筆すべきは無垢マイクロリニア針である点でしょう。マイクロリニア針はオーディオテクニカ独自のラインコンタクト針です。主な特徴は音溝を繊細にトレースできる点と、約1000時間ほど使用できる点の2つです。

なお前述した通りVM型カートリッジは、針先をカスタマイズできます。

(引用:https://www.audio-technica.co.jp/series/vm700

VM540MLは、VM700600500シリーズの針であれば、別売りの針先と交換可能です。このため音質はフラット、かつジャンルで針先を交換し聴き比べできるカートリッジです。

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GRADO(グラド) Opus3 (Stereo.High)

(引用 : https://www.yodobashi.com/product/100000001005752727/
価格¥38,420
針先無垢ダイヤモンド楕円針
出力電圧高出力タイプ:4.0mV(出力抵抗:660Ω)
低出力タイプ:1.0mV(出力抵抗:70Ω)
適正針圧1.6~1.9g
カートリッジ自重8g
交換針メーカーへ本体交換の有償依頼
※価格は2022年9月15日時点の情報です

Opus3はGRADOのTimbreシリーズの中でも入門モデルに位置し、温かみのあるサウンドが特徴的です。シリーズの中でも唯一このカートリッジのボディにはメイプル材が使われています。

紹介したモデルはステレオ・高出力タイプのOpus3ですが、Opus3には4種類あります。ステレオ用/モノラル用にわかれ、各自に高出力/低出力タイプが存在します。
種類の選び方としては、まず再生したい盤面に合わせステレオ/モノラルを選択します。つづく出力タイプはお手持ちの機材のバランスを加味しつつ選択していきましょう。

ちなみにこのカートリッジはMI型というMM型に属するカートリッジなのですが、交換針は存在しないためメーカーへ本体ごと交換の有償依頼をする必要があります。

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MC型カートリッジおすすめ5選

MC型はハイエンドなモデルが多いため、MM型より高額なものが多いです。また出力電圧の低さから、出力を上げる機器の購入が必要なカートリッジです。

ですがそのぶんMM型と比べて音の解像度が上がり、導入時の喜びもひとしお。そんな魅力的なMC型からオススメできる製品を厳選してご紹介します。

製品名メーカー価格※針先内部インピーダンス出力電圧適正針圧カートリッジ自重
DL-110DENON¥36,300 → ¥32,560ダイヤ特殊楕円針160Ω1.6mV1.8±0.3g4.8g
DL-103RDENON¥63,800 → ¥57,750ダイヤ丸針14Ω0.25mV2.5±0.3g8.5g
AT33PTG/IIaudio-technica¥79,200 → ¥57,500無垢マイクロリニア針10Ω0.3mV1.8~2.2g(2.0g標準)6.9g
AT-OC9XMLaudio-technica¥77,000 → ¥69,300無垢マイクロリニア針12Ω0.4mV1.8~2.2g(2.0g標準)7.6g
SPU#1Eortofon¥81,400 → ¥74,000無垢ダイヤモンド楕円針10Ω0.18mV4.0g30g
製品名DL-110DL-103RAT33PTG/IIAT-OC9XMLSPU#1E
メーカーDENONDENONaudio-technicaaudio-technicaortofon
価格¥36,300 → ¥32,500¥63,800 → ¥57,750¥79,200 → ¥57,500¥77,000 → ¥69,300¥81,400 → ¥74,000
針先0.1×0.2mm角ソリッド ダイヤ特殊楕円針16.5ミクロン丸針無垢マイクロリニア針無垢マイクロリニア針無垢ダイヤモンド楕円針
内部インピーダンス160Ω14Ω10Ω12Ω10Ω
出力電圧1.6mV0.25mV0.3mV0.4mV0.18mV
適正針圧1.8±0.3g2.5±0.3g1.8~2.2g(2.0g標準)1.8~2.2g(2.0g標準)4.0g
カートリッジ自重4.8g8.5g6.9g7.6g30g
※価格は2022年9月15日時点の情報です

予算5万円以内|オススメカートリッジ2選

初めてMC型にチャレンジしてみたいという方に向けておすすめのカートリッジを2つご紹介します。

DENON (デノン) DL-110

DENON DL-110
(引用:https://www.yodobashi.com/product/000000721725000317/)
価格¥36,300 → ¥32,500
針先ダイヤ特殊楕円針
インピーダンス160Ω
出力電圧1.6mV
適正針圧1.8±0.3g
カートリッジ自重4.8g
※価格は2022年9月15日時点の情報です

DL-110の最大の魅力はMC型でありながら外部機材が不要なため、ローコストでMC型を楽しめる点です。このモデルで初めてMCカートリッジの世界を体験すれば、お手持ちのレコードに刻まれていた情報量の多さに驚くことでしょう。

とはいえ上位モデルと比べると、どうしても音の解像度は低いです。あくまで一番敷居が低いMC型カートリッジと意識いただければと思います。

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DENON (デノン) DL-103R

DENON DL103R
(引用:https://www.yodobashi.com/product/000000721725000300/
価格¥63,800 → ¥57,750
針先ダイヤ丸針
インピーダンス14Ω
出力電圧0.25mV
適正針圧2.5±0.3g
カートリッジ自重8.5g
※価格は2022年9月15日時点の情報です

DL-103Rは中域の押し出しが強いため、松田聖子や中森明菜など女性ボーカル曲と相性がいいでしょう。
この価格帯のMC型にしては珍しく楕円針ではないのですが、意外なほど良い音を奏でてくれます。もちろんラインコンタクト針ほどの繊細さはないもの、音がしっかりまとまっています

ちなみにDL-103Rは、DL-103をベースに制作されたMC型カートリッジです。(※7) 歴史ある定番MCカートリッジをお探しでしたら、ぜひ一度ご検討ください。

※7.DL103はDENONとNHKが1960年代に共同開発したMCカートリッジであり、オーディオファンから根強い人気を誇る製品です。

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予算10万円以内|おすすめカートリッジ3選

予算が10万円以内となるとMCの中でも逸品とよばれる製品も圏内に入ってきます。ぜひともカートリッジ購入前にご参考にしてください。

audio-technica(オーディオテクニカ) AT33PTG/II

(引用:https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/253541/)
価格¥79,200 → ¥57,500
針先無垢マイクロリニア針
インピーダンス10Ω
出力電圧0.3mV
適正針圧1.8~2.2g(2.0g標準)
カートリッジ自重6.9g
※価格は2022年9月15日時点の情報です

AT33PTG/IIは中高音の再生が得意なモデルで、ポップスはもちろんクラシックにも合います。グレードはAT33シリーズ4種のうち、上から2番目に高いモデルです。

またオーディオ界のカリスマである清原 裕介氏によれば、このモデルはMM型の良さもMC型の良さも楽しめると評価されています。
(参考:https://www.ippinkan.com/audio-technica_2019ca3.htm

コスパのいいMC型カートリッジをお探しでしたら、ぜひ一度AT33PTG/IIをご試聴ください。

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audio-technica(オーディオテクニカ) AT-OC9XML

(引用:https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/265847/
価格¥77,000 → ¥69,300
針先無垢マイクロリニア針
インピーダンス12Ω
出力電圧0.4mV
適正針圧1.8~2.2g(2.0g標準)
カートリッジ自重7.6g
※価格は2022年9月15日時点の情報です

AT-OC9XMLは芯がある音と、空間的な広がりを体験できます。下図の通り「OC9Xシリーズ(全5種)」の1つで、中間のモデルとなっています。

(引用:https://online.stereosound.co.jp/_ct/17284007

シリーズの中でもXMLはマイクロリニア針が採用され、かつカンチレバーはアルミよりも音の伝達速度に優れたボロン製です。このため低~高温域までの全体的な音の表現を追求したモデルとなっています。

もちろん上位モデルであるXSH、XSLへと上がるにつれ音の解像度が上がってゆきます。ただグレードが上がるごとに価格が数万円上昇するため、コストパフォーマンスの兼ね合いも加味しAT-OC9XMLをオススメします。

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ortofon(オルトフォン) SPU#1E

(引用:https://store.shopping.yahoo.co.jp/core/spu1e.html)
価格¥81,400 → ¥74,000
針先無垢ダイヤモンド楕円針
インピーダンス10Ω
出力電圧0.18mV
適正針圧4.0g
カートリッジ自重30g
※価格は2022年9月15日時点の情報です

SPU#1Eは中低域が得意で、特に中域の表現の厚みが素晴らしいカートリッジです。とはいえどのジャンルも全体的に美しい音色を奏でてくれることでしょう。

SPUシリーズは、創業100年を超えるオーディオメーカーOrtofon(オルトフォン)で紡がれてきた伝統あるシリーズです。
その品質と価格帯から、多くのオーディオファンの間でも憧れのカートリッジと称されることもあります。

今回紹介したSPU#1EはそのなかでもSPU#1(ナンバーワン)シリーズに分類され、エントリークラスにあたります。
SPU#1EのEとは楕円針の略で、同機種で丸針仕様のモデル(=SPU#1S)もございます。2種のうちSPU#1Eをオススメした理由は、SPU#1Sと比べると明らかに音の解像度が高いためです。

レコードファンとしては、SPUシリーズがこの値段で体感できることが衝撃的です。是非ともSPUの世界を体感してみてはいかがでしょうか?

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更にハイエンドな光カートリッジの世界

皆さんはアナログ本来の音色が楽しめる、光カートリッジなるものをご存じでしょうか?

ベーシックモデル DS-E1 (引用:https://ds-audio.biz/products/184/)

光カートリッジはDSオーディオが開発した特殊なカートリッジです。針の動きを光で捉え、出力します。
この構造のおかげで従来のカートリッジと比べると、音質への大きな負荷がありません。
このためアナログ本来の音を味わうことが出来ます。

なお導入費用は、どの入門クラスのカートリッジよりも高いでしょう。音を出力するために別売りの専用フォノイコライザーが必要だからです。

DS-E1 イコライザー
DS-E1 イコライザー (引用:https://ds-audio.biz/products/184/)

例えば光カートリッジの販売価格は入門モデルであるDS-1E10万円。加えて専用のDS-E1 イコライザーも10万円。つまり入門モデルでも、導入に20万円かかります。

上を見ればキリがないのがオーディオの世界の常ですが、気になった方はぜひご検討ください。

これでおすすめカートリッジに関する紹介は以上です。長々と数種類のカートリッジを紹介しましたが、欲しいと思えるカートリッジは見つかりましたか?
もしあなたが聴いてみたいと思えるカートリッジと出会えたなら幸いです。

さて前章でレコードの音質に影響を与える要素はカートリッジであると説明しました。ここで気を悪くしないでいただきたいのですが、実はカートリッジ以外にも音に変化を与える要素があります。

次章で、それらについて紹介します。いっそう自分好みな音の追求を楽しんでみてはいかがでしょうか。

音質にこだわる方への知っ得情報

音に大きく関わるパーツはカートリッジであることは解説してきました。もちろんイコライザー、アンプ、スピーカー、オーディオボードやインシュレーターによっても音は変わります。ですが本章で紹介するのはこれらではございません。

今回はカートリッジとの組み合わせによって、音が変わる周辺アクセサリーを紹介したいと思います。
カートリッジ以外にもカスタマイズすることで、変わる音質の世界を知っていただき実際に交換までして楽しんでもらえればコレほど嬉しいことはありません。

カートリッジ周辺で音にかかわる2つの要素

リードライナーはリード線の意 (引用:https://www.ortofon.jp/analogtaizen/28)

カートリッジ周辺で音質に影響を与えるパーツはヘッドシェルとシェルリード線です。

ヘッドシェルはカートリッジを支える板のようなパーツです。
シェルリード線は基本的にはカートリッジから伸びる4本で1組のケーブルです。

これらのパーツが音に与える影響について解説しつつ、おすすめ製品を紹介します。

ヘッドシェルには硬めと柔らかめがある

前述した通りヘッドシェルの材質がレコード再生時の音質に影響を与えます。
ヘッドシェルとはカートリッジの上についているパーツです。カートリッジが針から振動を拾う構造上、音質にヘッドシェルの材質が影響すると言われています。

(引用:https://www.yodobashi.com/product/100000001005956977/

例えば木や樹脂といった柔らかめのヘッドシェルを選べば、優しい音質になります。クラシックやボーカル音の再生が得意です。

(引用:https://www.yodobashi.com/product/100000001001341546/

逆に金属製の硬い材質は振動を抑制するので、音にメリハリを与えます。ジャズやロックに向いている素材です。

おすすめヘッドシェル3選

こういった音を目指すならオススメ!というヘッドシェル3点をご紹介します。

①.音の芯を強めるオルトフォン LH-2000

オルトフォン LH-2000
(引用:https://www.yodobashi.com/product/000000721725000993/
価格¥5,610 ※
端子金メッキ
本体材質アルミニウム
自重15.9g(取付ネジ除く)
内容シェル本体
リード線
7㎜ネジ×2/12㎜ネジ×2(ネジ規格M2.5)
対応ナット×2
※価格は2022年9月15日時点の情報です

音の輪郭を強めたいなら、オルトフォン LH-2000がオススメです。
ネジ穴が縦長となっているので、様々なカートリッジに取り付けやすい構造といえるでしょう。
自重は15.6gと重めゆえに、トーンアームにバランスウェイトをつけて調整が必要な場合もあります。

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②.低域が引き締まるオーディオテクニカ AT-LH18/OCC

オーディオテクニカ AT-LH18/OCC
(引用:www.amazon.co.jp/dp/B00008B5E4
価格¥5,891 ※
端子ステンレス
本体材質テクニハード(特殊加工アルミニウム素材)
自重18.0g(リード線、取付ネジ除く)
内容シェル本体
リード線
取り付けビス(M2.6) 14/12/10/8/6/5/3mm 各×2
六角レンチ×1
※価格は2022年9月15日時点の情報です

よりパワーある演奏を求めるなら、オーディオテクニカ AT-LH18/OCCがオススメです。
特に材質が特殊で、テクニハードというオーディオテクニカとNASAで共同開発した特殊加工アルミニウム素材です。この素材は剛性や硬度が高いうえに軽量となっています。

(引用:www.amazon.co.jp/dp/B00008B5E4

画像のようにネジ穴が定位置にあるため、取り付けできるカートリッジは限られるでしょう。
こちらも自重は重めの18gのため、トーンアームにバランスウェイトをつけて調整が必要な場合もあります。
また先ほど紹介したオルトフォン LH-2000と近い製品ですが、主に異なるのは材質とナットの規格(M2.6)との2点です。

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③.音の温かみを伸ばす山本音響工芸 HS-3

山本音響工芸 HS-3
(引用:www.amazon.co.jp/dp/B007Q8C9NU
価格¥9,000 ※
本体材質黄楊材(ツゲ材)
自重8.2gg(取付ネジ除く)
内容シェル本体
標準型4色シェルリード
真鍮製金メッキ取り付けネジ3種
※価格は2022年9月15日時点の情報です

音に温かみを求めている方には、山本音響工芸のHS-3がオススメです。より音が明るくなり、優しさが増すでしょう。
GRADOのTimbreシリーズのように木材ボディのカートリッジなら、性能面も見た目との相性も良いと思います。

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シェルリード線の素材は音に影響を与える

オヤイデ シェルリード HSR-AG (引用:www.amazon.co.jp/dp/B000V4NYNK)

シェルリード線を上位グレードに変えることで特定ジャンルの音の解像度が増します。
というのもシェルリード線は、カートリッジから伝わる一番鮮度の高い音情報を受け取るパーツだからです。

ただしシェルリード線の取り付けには少し注意が必要なため、次項で補足します。

シェルリード線の取り替え方

シェルリード線は取り扱いを間違えると、端子部分が破損してしまうパーツです。
そのため、線を交換する前に下記4点を覚えてください。

1.シェルリード線の端子と導体の接続部分をつまむ。
2.リード線の取り付け時は、最初に先端部のみ挿した後で奥まで挿し込む。
3.リード線は配列通りに接続する。
4.針先とヘッドシェルの根本の距離を、適切な長さかつ水平に調整する。

以上がポイントです。続いて、実際の交換の様子をOrtofonの公式動画にてご覧ください。

シェルリード線を交換する、大まかな流れは6ステップです。

ステップ1:シェルリード線の端子と導体の接続部分を摘んで、リード線を外します。
ステップ2:対応する端子をヘッドシェルに取り付けます。
ステップ3:
続いて対応する端子をカートリッジに取り付けます。
ステップ4:
カートリッジを持ち、リード線を優しく折りたたみます。
ステップ5:
ネジでヘッドシェルを仮止めし、針先からシェルの根本の長さ、傾き具合は適切に調整します。
ステップ6:
位置調整後、ネジでヘッドシェルを完全固定します。

これにてリード線の交換は完了です。

次におすすめのシェルリード線シリーズをご紹介します。

おすすめのシェルリード線は吟醸シリーズ

アナログリラックス 吟醸リード ロックスタンダード
吟醸リード:ロックスタンダード(引用:www.amazon.co.jp/dp/B019E0U7OU

最もオススメのシェルリード線は、オーディオファンの間でもコスパがいいと評判の吟醸シリーズです。

吟醸シリーズをオススメしたい理由は大きく2点あります。
まず製作者の柄沢 伸吾氏のリード線は数々のオーディオファンから定評があるため、初めてリード線を変更する方にもおすすめできます。
そしてジャズやロックやポップスを含め、様々な音楽ジャンルごとにリード線が製品化されています。

以上のことから、まずは吟醸リードでシェルリード線を変えてみることをオススメします。

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まとめ

カートリッジはアナログレコードの音質を左右する重要なパーツです。カートリッジの型に加えて針先の素材や形によって、得意な音に違いが生まれるためです。

カートリッジ選びで大切なことは7点あります。用途による型決め、よく聞くジャンル・盤面の種類の確認は特に重要です。
ある程度求める音の方向性が決まったら、トーンアームに対応する重量の把握、交換針の有無を確認しておきましょう。

MM型でオススメしたカートリッジはオーディオテクニカ VM540ML、ナガオカ MP-110などが挙げられます。
MC型でオススメしたカートリッジはオーディオテクニカ AT-OC9XML、オルトフォン SPU#1Eなどが挙げられます。

さらに音にこだわる場合にはヘッドシェル、シェルリード線の交換もおすすめです。
ぜひ皆さんもカートリッジから関連アクセサリーに至るまで、こだわってみてはいかがでしょうか?

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