PIERROTで一番好きなアルバム、と問われたら、これかなと。
『HEAVEN 〜THE CUSTOMIZED LANDSCAPE〜』(ヘヴン ザ・カスタマイズド・ランドスケープ)。
2002年4月24日に発売された、メジャー3枚目のアルバム。
1stアルバム『FINALE』から続くストーリーの完結編。
『FINALE』が「現世」、2ndアルバム『PRIVATE ENEMY』が「地獄」、そしてこの3rdアルバム『HEAVEN』が「天国」という設定を担っています。
ジャケットのデザインも、これまでの2作とは正反対の白。
「あれ? 路線変えた?」
初めてPIERROTに触れる人向けにしたのかしら…という何とも言えない不安を覚えました(笑)
全14曲(隠しトラック含む)が収録されていますが、全体的に「希望」や「始まり」を謳った、解放的な曲が多いかなと。
『FINALE』や『PRIVATE ENEMY』に比べると、少し物足りないかなぁと思いましたが、聴き込んでいくうちにどっぷりハマってしまい「これがキリトマジックか…」と。
外堀を埋められたわー。
大好きなアルバムだわー。
隠しトラックとして『PARADOX』が収録されたのも、嬉しい限り。
2001年5月6日に、タワーレコード渋谷店で限定1万枚が発売され、即完売→プレミア化したシングルに、ここで出会えるとは…!
これ「どうやって録音するの!?」と友人に泣きついた覚えがあります(笑)
特に好きなのは、4曲目の『HOME SICK』と9曲目の『壊れていくこの世界で』です。
HOME SICKは、少し『MOTHER scene II』に通じるところがあるなぁ、と勝手に思っています。
この曲を聴くと、今でも泣きそうになります。
そして『壊れていく~』は、終末世界を悲しく切なく表現したバラード。
特筆すべきは何と言っても、全ピエラーが反応するであろうそのタイトル。
『クリアスカイ』の歌詞の一文である『壊れていくこの世界で』をタイトルに持ってくるなんて…!
そんなそんな…ズルいぞ!
聴く前からいい曲に決まってるじゃん!!
いい意味で癖がなく、全曲通してサラッと聴けると思います。
いや、おそらく十分癖のあるアルバムなんだろうけど…。
初めてPIERROTを聴くかたには、このアルバムをおススメしたいです(個人的な意見)
ここで「聴きやすいね」なんて感想を貰ったら、『FINALE』や『PRIVATE ENEMY』を続けて聴かせて、引きずり込んでいく感じかなぁ。
最初の2枚でがっちり既存のピエラーの心を掴んで、3枚目で新たなファン層を取り込んでいく手法、狙ってはいないと思いますが、思わずニヤリとしてしまいました。