現在の日本の音楽チャートはほぼアイドルで埋められています。
その中で現在のわたしの一推しはでんぱ組.inc。
ちょっとでんぱ組.incに絡めて現在のアイドルシーンについて、良盤ディスクのドルヲタおばさん、もーりーが語らせてもらいます。
90年代の始め「20世紀最後のアイドル」として売り出されたのが高橋由美子でしたが時すでに90年代にはいわゆるアイドル冬の時代と呼ばれる時代でした。
別にハイティーンの女性芸能人が少なかったわけではなく、この「アイドル」は「アイドル歌手」をさすものとされています。
日本語の「アイドル」はいわゆる「歌って踊る若い女性芸能人」の総称とされています。
これはいわゆる「清楚なお嬢様」フレーバーのあるアイドルを指す言葉として用いられています。
「正統派」という言葉を使うならば、本来は主流であるはずなのに、現在この「正統派アイドル」は稀有な存在とされています。
こんなにアイドルがいるのに。
その昔はこの正統派がアイドルの主流だった時代がありました。
しかしその価値観をぶち壊したのが、現在1大アイドルコンテンツとなったAKB48のプロデューサー秋元康氏です。
秋元康氏は「おニャン子クラブ」という「普通の女の子」に「アイドル」としてのポテンシャルを見出し、それを「貨幣価値」のある商品に磨きだしました。
隣の席で消しゴムを拾ってくれる女の子が急にテレビの中にいる感覚です。
その後アイドルは「正統派」でいる必要性がなくなったのです。これは持論ですが。
元々日本人には「未熟なもの」を愛でる性質が古くからあります。
まだ言葉もおぼつかない年頃の子どもを舞台に上げる「歌舞伎」や芸妓として一本立ちする前に接客をさせる「舞妓さん」など、成長過程を楽しませるような制度が古くからありました。お相撲さんのタニマチとかもそうかしら。
アイドルを応援するという行為が「育てる」という感覚を引き出すのはそういう部分があるからかもしれません。
その後、ありとあらゆるアイドルが生まれては消えていき、生まれては脱いでいきました。
悲しみのドルヲタ歴史。
21世紀の初頭、日本のアイドルシーンはモーニング娘。及びハロープロジェクトが牽引していました。
もしかしたら他にも頑張っている女の子たちはいたかもしれません。
ですが、お茶の間には浸透していません。
アイドルカルチャーにずっぽりハマっていた者たちしかわからなかったのかもしれません。
ハロー!プロジェクトは今の48グループに匹敵するような勢いで増殖していきました。
そんな中、ハロプロ内で一つのグループが「CD購入者限定握手会」を開催します。
当時、Berryz工房は小学生と中学生のアイドルグループでした。
ほぼ子供の彼女たちは、CDがリリースされる度、屋外のよみうりランドで握手会を開催しました。
全国5か所くらいだったと思います。
何時間も何時間も彼女たちは握手をします。
これ以降、ドルヲタ達に一つの大きな価値観が生まれました。
握手会等、直接アイドルに触れられるイベントを「接触系」と呼びます。
直接アイドルを握手をし、自分の言葉で会話する楽しみをドルヲタは見つけます。
これ以降、よりマイナーなアイドルシーンに飛び込むドルヲタ仲間を何人も見送った気がします。
マイナーに行けばマイナーに行くほど、接触の機会は増えていきます。
いわゆる地下アイドルというやつです。
これほど大きくなったAKB48関係のスレッドが未だ巨大掲示板2ちゃんねる内で「地下アイドル板」にあるのはそういう理由です。
手が届かない存在である「アイドル」を「身近な存在」にしたのは「おニャン子クラブ」でした。
そして「会いに行けるアイドル」の「AKB48」が誕生し、「AKB48」が「なかなか会えないアイドル」になった頃に「今会えるアイドル」の「ももいろクローバー」が誕生しました。
この頃には「アイドル戦国時代」と言われ色々なアイドルが地下から顔を出し始めた頃です。
既にアイドルは「触って選べるアイドル」になったのです。
Berryz工房から順調に地下に潜り地下ドルヲタを満喫していたヲタ仲間が、足しげく通っていたのが「秋葉原ディアステージ」でした。
ディアステージは、店内にステージがありそこでアイドル達のパフォーマンスを見る事が出来、またそのアイドル達が接客もするイベントスペースありのお店です。
でんぱ組.incはその秋葉原ディアステージで生まれたアイドルグループです。
現在はメンバーチェンジを経て6人に落ち着いています。
近い距離感(物理的にも)で応援していた第一線のヲタの方たちがアツいのも特徴でしょうか。
3rdシングルの「Future Driver」にはカップリングとしていわゆる「ヲタ芸」入りのバージョンが収録されています。
是非一度聞いてみて下さい。
でんぱ組が頭角を現してきたのはヒャダインこと前山田健一が楽曲提供をし始めてからでしょうか。
ももクロちゃんもヒャダイン曲からブレイクしているので、本人もアイドルが好きと公言しているヒャダインの曲はコンサートでも盛り上がりヲタに人気です。
また、ヒャダインの書くアイドルソングは、ほぼキャラソンに近いのも特徴です。
キャラソンとは、アニメやゲームのキャラクターが歌う歌の事です。
歌っているのは担当している声優さんですが、キャラクター本人の事を描いた曲を歌うのです。
それと同じく、ヒャダインの曲はアイドル本人がアイドル本人の事を描いた曲を歌うのです。
例えそれが事実と異なる事があったとしても、まるで本当にその通りだったかのように聞こえるのがキャラソン的アイドルソングの魅力のような気がします。
2013年にでんぱ組は「W.W.DⅡ」という曲をリリースします。
これはメンバーである彼女たちが過去にどういった事があってでんぱ組に辿り着き、そこからまだ頑張っていく姿を歌っています。
ヲタに近い位置で活動し、支えられてきた彼女たちが「世界に輝き旅立つ」事を歌っている曲です。
それは一見「手の届かない場所」に行ってしまう、昔の正統派アイドルのようではないでしょうか。
現在のアイドルシーンは、普通の手の届きそうな女の子たちが必死に「正統派」と言われるアイドルの高みへ昇り詰めるのをそれぞれのヲタが応援しているような図式に見えるのは私だけでしょうか。
恐らくこれからも様々なアイドルが生まれ、消え、脱いで行ってしまう事と思います(ドルヲタおばさんはAKB48では中西里菜推しだったので、アイドルが脱ぐことに対して若干ナーバスになっています)
でんぱ組の面白いところは、他のグループに比べ平均年齢が高く、自分たちの立ち位置を深く理解しているところです。
それゆえ、夢ばかり見ているだけではないように見えるところです。
彼女たちは本当にやりたくてアイドルをしているかのように見えます。
そして、長くヲタに支えられ今の立ち位置が簡単に手に入るわけではない事も知っています。
今年の夏のでんぱ組は秋葉原電気街祭りのポスターキャラクターも務めどんどんアイドルシーンのメインコンテンツに食い込んできています。
これからの彼女たちに、おばさんはやっぱり期待してしまうのです。
当店ではでんぱ組.incのグッズなどを超絶強化買取継続中ですので是非!!
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