宝塚歌劇団が発行する公式のステージ写真集「フォーサム(foursome)」を多数お譲りいただきました! 1980年から1999年にかけてリリースされ、各公演ごとにまとめられています。公演を振り返ると同時に、劇場に足を運べなかったファンにも向けた冊子となっています。
巻末には本公演以外の催しや新人公演の様子なども収録されており、宝塚のオフィシャル情報誌としての側面が強かったようです。インターネットが普及していない時期のメルマガ的な役割もあったのかもしれませんね。
表紙を収録公演のクライマックスの様子やトップスターが飾り、内容も大判サイズの迫力ある写真で舞台を再現しています。
フォーサムが発行されていた80~90年代の有名トップスターやトップ娘役としては、1982年に退団し女優として活躍、現在は政治家となった元花組トップスター松あきら。
1985年に同時に退団し、ともに女優となった月組のトップスター・大地真央と、同じく月組トップ娘役だった黒木瞳。
86年に退団し、明石家さんまが熱烈なファンだったという元星組トップ娘役の湖条れいか。ちなみに湖条れいかの姉の湖条千秋も元タカラジェンヌで、79年に退団後、『電子戦隊デンジマン』の女スパイ・ケラーや、『星雲仮面マシンマン』のレディーMなど、特撮ファンにはお馴染みです。
90年代に入ると、91年に月組トップスターとなって平成版『ベルサイユのばら』を演じ、93年退団後は俳優や声優(平成版『るろうに剣心』緋村剣心役のハマり具合にはビックリでしたね)として活躍する涼風真世などが挙げられるでしょうか。
現在は判型を縮小した「ル・サンク(Le CINQ)」へと引き継がれています。大判写真によるステージ写真集というコンセプトを継承しつつ、2004年以降は宝塚オリジナル作品の脚本なども収録されるようになりました。ル・サンクは2014年からデジタル版でも販売されています。ただしデジタル版には脚本の掲載や巻末ポスターなどが付属しません。
フォーサムは20世紀当時のステージの様子を大判写真で振り返ることができる貴重な資料でもあります。タカラジェンヌたちはもちろん、ステージ、小物などに至るまでを大判で見ることができます。改めて確認することで意外な発見があるかもしれません。
現行誌であるル・サンクのデジタル版と紙版の差別化は、おそらく脚本については著作権的な都合によるものと思われます。
一方で折り込みポスターが紙版だけでも残っているのは、やはり「両方なくす」よりも「残せるならば紙版だけでも残す」という、ファンサービスなのだと思います。
このような差別化は今後の紙・デジタルの在り方を決める指針にもなりそうですね。良盤ディスクではフォーサムにくわえ、紙版ル・サンクの買取をお待ちしております!